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なぜパチンコ税は導入されないのか。酒税やタバコ税よりも“おいしい”財源を見逃す政府のズルさ=鈴木傾城

税金を取る対象としてはかなり「おいしい」部分

日本は「酒」にも「タバコ」にも重い税金を課してきた。タバコに関してはすでに半分以上が税金だ。これ以上税金をここに課してもしかたがない。

消費税も日本経済の活力を奪うものである。日本がいつまで経っても内需回復できないのは、消費税がどんどん引き上げられるせいでもある。まして、物価が馬鹿みたいに上がっている今、消費税はますます重くのしかかる。

このような状況になって国民に大きな負担がかかっているのであれば、政治家やマスコミの口から「パチンコ税」の話が出てもいいはずだ。

日本ではパチンコも宗教も何の役にも立っていないし、国民のためにもなっていないのだから、これらの存在に50%課税しても誰も文句は言わない。

それができない理由はいくらでもこじつけられる。たとえば、パチンコというのは「風俗営業であり賭博ではない」だとか言い逃れして、「だから特別税の対象にならない」とか言う。

パチンコ業界はくだらないテレビのスポンサーになるほど金が余っていて、しかも脱税でもしばしば名前が出てくる業界だ。税金を取る対象としてはかなり「おいしい」部分になる。

増税するのであれば、真っ先に切り込むべき分野

実は2014年頃、パチンコやパチスロの景品交換の際に手数料を徴収して、地方自治体に納付させるという仕組みが検討されたこともあったが、この案はいつの間にかうやむやになって消えてしまっている。

パチンコから税金を取るためにはパチンコを合法的な「賭博」と認める必要があって、これは「風俗営業であり賭博ではない」という政府の見方から真っ向から対立するものなので、立ち消えになった。

しかし、政府の見方が100%おかしいのだ。

パチンコは誰が見ても賭博(ギャンブル)だ。そんなギャンブル場が住宅街の駅前にも林立している。その光景が異様だと思わない人間はいないはずだ。

どう見てもギャンブルなものがギャンブルではないと言われ、それが住宅街を侵食し、テレビで宣伝してさらに射幸心を煽っているのだから、それを異様だとしか言いようがない。

ピンポイントで酒やタバコから税金を取り立てるのであれば、ピンポイントでパチンコから税金を取り立てても何らおかしなことではない。かつてのサラ金がそのビジネスモデルに問題があったのだとすれば、パチンコもまた同罪だ。

ギャンブル屋がテレビで宣伝し、ギャンブル屋が政治献金している時点で、この業界からは税金が取れると政治は思わなければならない。

この物価高で、あっちこっちの税金を薄く引き上げたり、年金を下げたりして国民からあの手この手で絞り取るのであれば、さっさとパチンコ業界に税金をかけて14兆円規模の業界を財源とすればいいのである。

さっさと売上高に税金をかければいい。あるいは、パチンコをギャンブルと認め、換金を合法として、換金額に税金をかけてもいい。パチンコ業界をグレーにしたまま放置するのは、もう許されない。

Next: 「パチンコ税を取って、消費税を廃止すべきだ」

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