投資失敗のキーワード1:「なんとなく投資」
メタバースやNFTへの期待感なら、それ関連の株式を買えば良かった。
それなのに、その市場で必要になるだろうという理由だけで、暗号資産への投資を開始したのは、僕の当初のポリシーに反する。もっと調査するべきだった。
上場会社であれば開示情報が豊富で、元証券会社社員であることもあり、最低限の分析は可能だ。
しかし暗号資産は開示情報が少ない。それゆえに理論的な価格がわからなかった。
つまりなんとなく投資を開始してしまった。
流行り物は嫌いではないが、お金の絡む流行り物は大体その時がピークである。
そんなことわかっているのに、毎月自動で買い続けてしまった。
また暗号資産には販売所と取引所の2つのルートで購入できることはご存じの通りだ。
しかし積み立てで購入した時のスプレッド、つまり積み立てゆえに、実際取引所で購入するよりプレミアムを支払う販売所で購入しなければならず、そのスプレッドが意外に高いことを知った時に嫌になってしまった。
これは事前調査段階で調べることはできたはず。
これを怠ったがゆえに、すでにこの投資は失敗だと思い込んでしまった。
もちろん短期売買であればそれで損切るならそれは良い判断だと思うが、一度長期と決めたものを反故にした時点こそが失敗だった。
投資失敗のキーワード2:高ボラティリティ商品の積み立て
実はなんとなく初めてしまったこの積み立て投資、自信が持てないなと思った時点で止めてしまったのだ。
そもそも積み立て型投資に関してはとても良い印象を持っている。
サラリーマン時代に確定拠出型年金(401K)プランに加入していた。
その時投資していたのが「JPモルガン日本中小型株ファンド」という選択できる一番リスクの高い投信だった。
401Kプランだから途中に自分の相場観でほかの投資信託に乗り換えることは可能だった。
例えば相場が下がりそうだと思えば、普通預金のような商品、世界の株式市場の成長をとらえたいということであれば、グローバル型も選択可能だった。
しかし僕は商品ラインアップも、途中の時価も見ないでそのまま放置していた。

出典:TradingViewのiシェアーズ MSCI ACWI ETFチャート月足
上記はiシェアーズ MSCI ACWI ETFの2008年からの月足チャート。
これを見る限り長期投資であれば誰でも勝てるのだが、退職する時に調べると13年程度継続して投資金額のほぼ倍の評価額、もちろんその間リーマンショックや東日本大震災が起きたにもかかわらずだ。
その成功体験があり、高ボラティリティ投資商品におけるドルコスト平均法の効果がかなり高いと思っている。
ただ止めてしまってはすべてがそこで終わり、これでは僕の一番嫌いなナンピン買いと変わらない。
ドルコスト平均法の効果すら享受できなくなるのは当たり前の話だ。
本来この暗号資産投資は10年以上先を見た投資だったはずなので、信念を貫くのであれば、今この急落時も粛々と買うべきだったはずだ。
それを途中で諦めてしまい、結果的に現状投資金額に対して評価額が約3分の1になっている。