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樹木1000本伐採…神宮外苑再開発「反対署名」8万6000筆を集めたロッシェル・カップさんとは何者か?小池都知事に伝えたい想いとは?作家・鈴木傾城がインタビュー

そして、大学で日本語勉強し始めたんですが、素晴らしい先生に恵まれて、大学の日本語授業はすっごく楽しんでました。

実は、高校の時にはフランス語を勉強して大失敗してます。私は本当にフランス語ができなくて、大嫌いだったんです。それで母に日本語を勉強したいと言ったら「えっ、フランス語できなかったのに、日本語なんて無理でしょう」と言われたんですけど、日本語の方が好きでした。

――「ロッシェル」というのはフランス語の単語で、同じ地名の港町がフランスにあると思うのですが、カップさんはフランスとは関係ないのですか?

祖先はフランス人じゃないんですけれども、私が生まれた時代のアメリカでは「1番かっこいい国はフランス」っていうのがあって、両親がフランスに憧れを感じたんです。だから、フランスっぽい名前をつけたんですね。そういうわけで、高校に入るとスペイン語かフランス語かの選択があって、両親が必ずフランス語を選択するようにと言ったんですけど、ちょっと私には合わなかった……。(笑)

――フランス語と日本語を比べると、日本語の方が難しいと思いますが?

難しいですけど、面白い!面白いからやりがいがあります。日本語は英語と全然発想が違うので、日本語を話すことによって、なんか新しい世界に入ってる感じで、知的好奇心の面からすれば、すごく興味深かったんですね。

最初の来日は、大学時代でした。あるインターンシップ・プログラムの関係で京都の伏見信用金庫で研修生でした。あの金庫の制服も着てて、すごくいい経験でした。ひと夏くらいでした。一応インターンだったけど、もうほとんどの任務は金庫の人と交流したりとか、ちょっと飾り物だったんですけど。(笑)

それが終わって、いったんアメリカに戻って大学の4年生が終わって、そのあと2年間シカゴの経営コンサルタント会社で働きました。それはとても良い経験で、あの特にコンサルティングが好きってこと分かったんですけれども、しかしその当時、日本はバブルだし、日本でいろいろなことが起きていました。

それなら、せっかく日本語を勉強しましたので、もっと日本に関する知識を深めたいと思って、その会社を2年間で辞めて日本に来て、安田信託銀行の本社で就職しました。今はもうない企業ですが、その当時は繁栄していた企業でした。

そして私がはじめて、銀行が海外の投資家などを対象にいろんな情報を英語で発信する、国際広報の担当者になりました。非常にドメスティックだった企業が急にグローバル化しようとしてたところでした。

そこで働くことによって、日本の企業のグローバル化に伴ういろんな課題について興味を持つようになりました。そして日本の企業の中で働いてる外国人の課題、そしてそういった外国人と関わる日本人の課題について興味を持つようになりました。

2年間そこで働いていましたが、MBAを取るためにアメリカに戻って、日本の企業のグローバル化のテーマに関して、MBAを勉強しながらいろいろ調査したり、そういった調査に基づいて学問的な論文の出版して、日本語でも英語でも本を書くことになりました。

写真:山本和幸

写真:山本和幸

――カップさんの『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』を読みました。それは過去の本の改訂したものですね?

はい。実はその本は3代目なんです。最初に出したのは1998年頃で新書版で出ました。これは日本人、在米駐在員などがアメリカで読んでいる雑誌に記事を書いていたんですけど、そういった記事を集めて出版化されて、そのあとは2004年くらいに増補改訂版が出て、そしてまた2015年に加筆したり磨いたりして3代目の本が出ました。よくアメリカに駐在している日本人と私がお会いする時は「サインしてください、僕のバイブルです」と言ってくださる方が多いです。(笑)

MBAを取ってから、また別のコンサルタント会社で働いて、そこで働きながら、夜や週末に独立の準備をして、その後ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティングを創業しました。シカゴで独立して、最初の顧客はアメリカの中西部にある自動車部品と自動車の工場です。あのホンダとかトヨタとか、その会社の関連企業が最初のコンサルティングでした。

――そこでは、日本人とアメリカ人が一緒に働いてて、しょっちゅうトラブルが起きていたということですか?

そうですね。だから、それをどうやって解決するか、そしてどうやって予防するか。お互いの理解を高めるならば、日本の企業で働いてるアメリカ人が日本の文化をもっと理解する必要があると思いますし、逆にアメリカに働きに来る日本人の駐在員はもっとアメリカの文化を理解する必要がありますので、両方に対して解決を提供するっていうような感じですね。

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