ものまねタレントのコロッケさんがイメージキャラクターを務めていることで知名度の高い買取専門店の『おたからや』で、フランチャイズ契約を巡ってのトラブルが発生していると報じられている。
記事によれば、とある加盟者は『おたからや』の経営母体である株式会社いーふらん側から、月に55万円をロイヤリティーなどとして払わなければならないものの、フランチャイズ店が客から購入した品を本社が買取価格の5~6倍で買い取るという“絶対に儲かる仕組み”があるため、それでも十二分に利益が上がると説明を受け、フランチャイズ契約を結んだとのこと。
ところが実際に開業すると、本社側の査定結果は0円という返事の繰り返し。本社からは「もっと広告を打て」と言われるものの、例えば新聞の折り込みチラシなどでコロッケさんの写真を使うと、別途料金が追加されるシステムだったという。
その後、加盟者は契約解除を申し入れたものの、本社側は契約は存続しているとしてロイヤリティーなどの毎月55万円の支払いを請求し続けているという。
直営店は全店舗中の1割ほどの『おたからや』
SNS上では「典型的なフランチャイズ加盟詐欺」「真の被害者はコロッケ」といった声があがるいっぽうで、騙されたほうも悪いといった見方もあがるなど、様々な意見が飛び交っている今回の件。
うわ……典型的なフランチャイズ加盟詐欺では。じつに興味深い。 / “「私はこうして騙された」被害者が語る『おたからや』のヤバい実態(FRIDAY) – Yahoo!ニュース” https://t.co/u92pd7IcoH
— 深町秋生・「天国の修羅たち」重版 (@ash0966) September 5, 2022
「私はこうして騙された」被害者が語る『おたからや』のヤバい実態(FRIDAY)#Yahooニュースhttps://t.co/gxVzWfvUpy
タイトルが紛らわしいな。あとこれの真の被害者はコロッケだな— レイブン️ (@yutakakubota) September 4, 2022
>>月に55万円をロイヤリティー
>>客から購入した品を本社が買取価格の5~6倍で買い取るこの時点で商売が成り立たないと気づけないのだろうか?
「私はこうして騙された」被害者が語る『おたからや』のヤバい実態(FRIDAY)https://t.co/yHr2lEuNJp
— 腳踏车 (@cyclekaigyou) September 5, 2022
近年の金相場の高騰などと相まって、至るところに見かけるようになった買取専門店だが、そんななかでも『おたからや』は、全国で1,200店舗以上を展開するなど、業界ナンバーワンの規模を誇るチェーン。ただ、1,200以上ある店舗のうち、直営店の数はその1割程度に留まるようだ。
要は、フランチャイズ加盟者をどんどん増やすことで急拡大を遂げたというわけで、現に『おたからや』のサイトでは、オーナー募集のページがかなり充実。そこには低資金・小規模店舗で始められて充実のサポートを受けられる、本部買取保証で在庫リスクはゼロ、体力必要ナシ・1人でもOKといった謳い文句が躍り、くわえて「自宅にプールを作っちゃいました」といったノリの、加盟店オーナーの成功談なども掲載されている。
ところが、実際には本部からの手厚いフォローは無いに等しかったようで、それどころか出店して間もなくして、近所に直営店を作られてしまい客が激減したというケースもあった模様。これでは確かに、フランチャイズ加盟者から「話が違う」「騙された」といった声が噴出するのも、無理もないところだろう。
この手のフランチャイズといえば、誰もがまず思い浮かべるのがコンビニだが、そちらも過去には「24時間営業」や「割引販売の禁止」などの強制を巡って、本部と加盟店の間で大いに揉めたというのもよく耳にした話。
いっぽうで、最近では「高級食パン店」や「から揚げ店」などといった一過性のブームで続々と登場したフランチャイズ店が、ブームの陰りによって1年ももたず閉店するといった事象も大いに目立つ。「生かさず殺さず」の絶妙な差配で店の命脈だけはなんとか保たせようとするコンビニ業界とは異なり、あたかも最初の加盟料などの類を搾取することが目当てといったような、悪質との誹りも受けかねないフランチャイズ契約が、ここに来て増えているようなのだ。
日本でもフランチャイズビジネスのルール作りが進むも…
副業を解禁する企業が増えたことで、フランチャイズ経営に興味を持つ方も増えている昨今。それに伴って、不利な契約内容を押しつけられるといった、悪質なフランチャイズ契約の被害が増えているようで、そのジャンルは先述の飲食関連だけでなく、今回の買取専門店のほか塾やマッサージ店などといったサービス業にも広がっているとのこと。
日本においては、先述したようなコンビニチェーンのフランチャイズ契約を巡ってのトラブルが問題化したことで、それらのビジネスにまつわるルール作りが進んだという経緯が。最近では、今年4月に中小小売商業振興法の規則が改正され、フランチャイズ本部は契約時に加盟店に対して、立地条件などが似た店舗の3年間の売上高など店舗の収益情報を開示することなどが義務化された。
ところが、上記のルール改正には違反した際の罰則がないうえに、規制の対象は小売りや飲食業に限定されるという。要は、今回取沙汰されている『おたからや』のようなサービス業には、適用されないというのだ。
「いつかは一国一城の主に…」といった起業・副業の機運を逆手に取る形で、増加するいっぽうの悪質なフランチャイズ契約。SNS上では安易に口車に乗ってしまうフランチャイズ加盟者に対する厳しい声も多いものの、それ以前に現状に即した法整備が早急に求められるのは言うまでもないだろう。
Next: 「FCってマルチに近い」