オリンパス株価推移
実際にオリンパスの株価を見ましても、(冒頭に載せたチャートと同じなのですが、改めて見てみますと)バリューアクトが入った2019年からすると、なお3倍近く上昇しているということになるのです。
上場廃止になるかどうかわからないという156円のところで買わずとも、経営改革が行われているときに買えば、それで投資としては十分だったわけです。
そういった会社を地道に見つけていくっていうのは、もちろん良いでしょう。しかし、これはもしかしたらヒントになるかもしれません。(若干姑息な手段ではあるんですが)今まさにバリューアクトは、そういった見方で企業を探しているのです。
実は数年前の2013年ぐらいに、マイクロソフトにこのバリューアクトが投資を行ってるんです。マイクロソフトが、そこで何をしたのかというと、これからクラウドサービスが発展するから、Azure(マイクロソフトのクラウドコンピューティングサービス)の強化。そういったクラウドを強化して、実際に業績を伸ばしました。
またAdobe、PDFのAdobeを、これまでプロダクトの売り切りだったものを、サブスクリプションモデルに変えることによって利益を増やそうという動きをして、いずれも成功裏に終わっているのです。
すでに強みとか、いいものを持っているところを、より際立たせようという動きを行っているのです。
バリューアクトの投資先
実はオリンパスに投資したのが、日本企業では最初なんですが、今いくつかの日本企業に投資しています。それが、トレンドマイクロ、任天堂、セブン&アイ・ホールディングス、そして、化学会社のJSRです。
これらの会社に投資をしているのです。逆に言えばバリューアクト、先ほど5%から10%投資すると言いました。
5%投資すると、大量保有報告書というのを出さないといけません。よって買っているということが表に出るのです。
となると、バリューアクトが買ったということを見て
「もしかしたらこの企業、これからいいかもしれない」(と注目してみるのも良いかもしれません)
少なくとも海外の投資家から見たら、マイクロソフトとかAdobeを成功させた実績のあるファンドですから、ここが買ったというだけで十分注目に値するわけです。
実際オリンパスを見てても、単に経営改革をやったという以上にオリンパスの経営改革が非常にわかりやすくまとめられているのです。
オリンパスのIR資料を見ると、ものすごく綺麗にわかりやすくまとめられています。そういったIR効果も少しはあるのかなというところです。
いずれにしても、価値を上げるという、つばめ投資顧問が推奨している投資に沿った理念で行動を行っているファンドだと理解しています。今後もバリューアクト、そしてオリンパスの動きには注目したいと思っています。
(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)
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『
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
』(2022年09月08日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。