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オリンパス不正会計での暴落から株価20倍に。なぜ復活できた?カメラも顕微鏡も売却して見据える未来=栫井駿介

もうカメラや顕微鏡は作っていない。オリンパスってどんな会社?

オリンパス<7733> 業績(SBI証券提供)

オリンパス<7733> 業績(SBI証券提供)

まずオリンパスは、そもそもどんな会社だったのか説明します。

まずは顕微鏡。それから皆さんなじみの深いところでは、デジタルカメラ。元々顕微鏡から始まって、カメラ、そして、いわゆる光学技術をやっていました。

それから発展して内視鏡とか、医療分野にも進出しました。しかし先ほど顕微鏡事業を売却したと書きました。

実はこのカメラ事業も既に売却しているのです。オリンパスというと、顕微鏡やカメラの印象が強い方が多いと思います。

今やこれらの事業は持っていないのです。

事業売却すると、当然その部分(顕微鏡やカメラ事業)の売り上げや利益が抜け落ちてしまうので、会社として小さくなっているのではないかと思うかもしれません。

確かに売り上げは、過去最高とは言えません。しかし営業利益はドン!と上がりまして、前期も過去最高益。今期もさらに大きく最高益を予想しているのです。

これほど急回復、急成長をしてきたのです。特に2019年からの成長というのは、目を見張るものがあります。

大株主「バリューアクト」とは?

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実は、2018年に入ってきた大株主がいるのです。それが「バリューアクト」というアメリカのサンフランシスコに本社を置くファンドです。

いわゆる、アクティビストと言われるファンドです。アクティビストというと、あまり良いイメージがないかもしれません。

企業に入ってきて、いきなり増配要求をしたりなど、まさに人の家に土足で上がりこむようなことをするような人たち…というイメージがあるかもしれません。

ただ、このバリューアクトというのは、かなり良心派と言えるのです。

運用金額が1.6兆円にもなる大きなファンドです。動きとしては、株式を例えば5%から10%程度保有して、自分が投資した企業に取締役を派遣して、その企業を改善することによってリターンを上げようという手法です。

いわゆる村上ファンド的な「溜め込んでいるお金を払え」「増配をしろ」「自社株買いをしろ」というのとは、一線を画すファンドです。

今の社長の竹内氏も、「バリューアクトは、経営の主役は執行人だと深く理解している」「短期的な利益を追うような口出しをせず、いわゆるアクティビストのイメージからは遠い存在だ」と述べています。

このことからも、かなり良心的かつ、ある意味本質に根ざした動きを行ってるのです。

本質に根ざすというのは、企業の目的はそもそも経営とか事業を改善して、(その企業の)価値を上げるということです。まさにこれを実行していて、バリュー価値(Value:価値、Act:行動)といった社名にも現れているわけです。

Next: どうやって復活した?暴落から一転、株価上昇までのストーリーとは

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