さらに20%の株下げがありうることを覚悟しながらトレードをすべき時間帯
米国における相場暴落の歴史を見ますと、驚いたことにことごとく利上げを実施した後に起きていることがわかります。
やはり金利の上昇は株価にまったくプラスには働かず、とくに金利の上昇が株価の現在価値を著しく下げることが、そもそも下落の基本要件となっていることを理解しておく必要がありそうです。
直近で言いますと、2008年のリーマン・ショックの前ですら金利は上昇しています。
足もとのように人為的にFRBが継続利上げを行おうとし、さらに9月からQTまで本格実施しようとするタイミングは、暴落が起きるかどうかは別にしても、株を買う適切なタイミングではないことは間違いありません。
これまで中央銀行の緩和政策でカネが必要以上に流れこんできたことで支えられた株高が、逆に締め付け開始で下げに転じるのはむしろ当たり前の話。
それがどれだけ深く下げるのかが、大きなポイントとなります。
9月後半は要注意。急落に備えを
9月は後半から、米国株がもっとも弱含むシーズンでもあります。
普通の年でもそれなりの下落を余儀なくされますから、それにさらにはずみがつけば、確かに29%程度の下落に陥る危険性はありそうで、直接株や株価指数取引をされない方でも、為替への影響を常に意識していく必要がありそうです。
今週の米国CPIの発表もそうでしたが、市場はなぜか妙に楽観的で、結果が期待と異なった途端に激しい反対売買から猛烈なショートカバーを引き起こし、火柱高になりました。
そのことを思えば、同じようなことが米国株で起き、しかも下落方向にそれが加速するリスクは十分に意識しておくべきであろうと思われます。
米国中間選挙「株価堅調」のアノマリーは通用しない?
本来、米国中間選挙があるこの時期は、株もそれなりに安定的に推移するもの。しかし、そうしたアノマリーは今年に限ってはまったくワークしない状況です。
やはり相場が下方向に動き、為替もそれに引きずられる危険性を考えるべき状況です。
恐らくFOMCを経てドル円はいったん上昇するのでしょうが、問題はそこからです。9月末にかけて、まったく逆さまのシナリオも用意してトレードをしていくべき時間帯のようです。
もちろん何事もなければ取り越し苦労の笑い話になりますが、どうもここからの相場はそんなに生易しいものではなさそうな雰囲気が漂います。
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