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遺灰から貴金属を抽出して換金…各自治体の取り組みに賛否両論。「23区の火葬場を買い占めた中国資本の狙いはコレ?」との憶測も

火葬場を所有する各地の自治体で、遺骨を骨つぼに納めた後に残った遺灰から、金や銀などの貴金属を抽出して換金するという取り組みが広がっていると報じられ、大きな反響を呼んでいる。

記事によると、火葬後に残る細かい骨や灰である残骨灰には、治療した歯や人工関節、ペースメーカーなどの貴金属が含まれているとのこと。財政が危機的状況にある京都市でも、残骨灰の保管場所が限界に近づいているという事情もあり、貴金属の抽出を今年から初めて実施するといい、約1億2,000万円の収入を見込んでいるという。

このような取り組みは全国の自治体にも広がっているようで、全国20か所ある政令市のうち、残骨灰を売却、または貴金属を抽出後に売却しているところは、今年度初めて試験的に実施した札幌や広島の2市を含めた15市。売却を含めて検討中としているところが1市あるという。

遺族感情に配慮し自重する政令市も

遺灰から抽出できるような金目のものといえば、金歯・銀歯といったところはなんとなく想像はできるが、報道によればこの他にもプラチナやパラジウムといった金属も取れるということ。

実際、京都市では昨年1~9月分の残骨灰(約39トン)から、金約7.2キロ(約5,980万円)、パラジウム約6.3キロ(約5,670万円)、銀約21キロ(約190万円)、プラチナ約0.2キロ(約103万円)が抽出できたとのこと。まさに塵も積もれば山となる、いや“遺灰も積もれば金になる”といった話で、他の自治体も飛びつくのも頷けるところである。

SNS上の反応を見てみると、さぞや批判の嵐と思いきや「いや、全然いいと思うんだけどね」と、肯定的な意見も意外に多いといった印象。遺灰に含まれていたものとはいえ、限られた貴重な資源であるということで、特に資源の乏しい日本となれば、こういった形でのリサイクルも致し方なし、といった見方のようだ。

とはいえ、政令市のなかでも静岡市や堺市は、「残骨灰は遺骨の一部であり、遺族感情に配慮している」という理由で自重しているように、故人の遺灰から金目の貴金属を抽出して換金するという行為に対して、遺族からはあまりいい顔をされないのではといった見方も当然あがってくるところ。

そもそも、現在遺灰からの貴金属抽出を行っている自治体に関しても、そのことが市民に知られているかどうかというと疑問符が付くところで、今後周知が進むにつれて批判的な声がさらに上がる可能性も。

さらに、そういった経緯から得た財源だけに、市民がよっぽど納得できるような使途にしないと、相当な反発が出ることも想像できるだけに、各自治体としてもかなり慎重な対応が求められそうだ。

都内火葬場を買い占めた中国資本の“裏目的”との見方も浮上

このように、実施するところが今後増えてくるのではとされている、遺灰から貴金属を抽出して地域の財源に充てるという取り組み。

火葬場のほとんどが地元自治体による公営という日本ならではの話といったところだが、その反面で東京都、とりわけ23区内をみてみると、9か所ある火葬場のうち公営は2か所にとどまり、残りの7か所は民営の施設。しかも、そのうちの6か所は東京博善という会社が運営しているという状況だ。

そんな東京博善だが、ここ近年はその親会社である広済堂ホールディングスの株を、ラオックスの社長を務める中国人実業家・羅怡文氏のグループ企業が買い進め、今年頭には40%超の広済堂株を押さえる格好に。それにより東京博善のもつ23区内の火葬場も、中国資本の傘下となった。

中国資本が日本の火葬場を買い占める裏には、長らく土葬の習慣が続いていた中国国内でも火葬への切り替えが進むなか、日本が持つ最先端の火葬ノウハウを得たいという思惑があるとの見方も。ただそのいっぽうで、中国資本となってからは燃料代の高騰などを理由に火葬料金が大幅に値上がりしているといい、他の自治体と比較してもかなり高額な価格設定が問題視されているところだ。

そんななか伝えられた、今回の“遺灰から貴金属抽出”という話なのだが、一部からはこのことも中国資本が23区内の火葬場を買い占めた狙いなのでは……と訝しむ声も。

人口約150万人の京都市で、先述のような収益を得られたのだとすれば、総人口約970万人の23区における火葬の7割がたを引き受けているという東京博善が、もしも仮に同様のことを行えばいかほどに……といったところだが、火葬料金も相当割高なうえに、遺灰から得た貴金属でさらに収益をあげるといったアコギなことをした日には、もはや反発どころの話ではなくなることは火を見るよりも明らかだろう。

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