なぜメタバースにこだわる?
ちょっと話戻りますと、これまでにかなり赤字を拡大させているメタバース。
さらには直近のメタバース事業の売上高も減ってしまった。
そんな中でなぜメタバースへこだわるのか?というところです。
いろんな考え方はあるのですが、やはりそもそも本体のFacebookが、アクティブユーザー数が減った。
減るというのは、必ず訪れることだったのです。
なぜかというと、Facebookのユーザー数はもう43億人と言われてるんですが、世界の人口がおよそ70億人。
そのうち43億人ですから、インターネットが使える人(子供とかを除くと)もう人口のほとんどがフェイスブックをやっている状況なのではないかと思うのです。
従ってこれまでのように、Facebookの普及率が上がっていくごとにユーザー数が増えるという状況では、どう考えてもなくなってしまったというところです。
さらにはFacebookは、業績面だけではなくて、数々の非難にさらされています。
これから細かいところを説明するのですが、Facebookの中のガバナンス。
どうなっているんだという非難が結構あるわけです。
一部では政府から目をつけられて、しばしば公聴会、議会の証言台に立たされるということが起きています。
この状況から何とか逃れたいと考えているのが、CEOであるザッカーバーグ氏の思いじゃないかと思います。
すなわち、ここでメタバースを当てることによって、一発逆転を狙ってるんじゃないか。
そういう節が見えるわけです。
業績は急成長
ではもっとFacebook、Metaについて深堀りしたいと思います。
業績を見てください。
実はめちゃくちゃ順調なのです。
もう綺麗な曲線です。
直線どころか、曲線の絵を描いて業績伸びています。
その途中にFacebookの利用者数が増えてきたというのはもちろん、途中2012年にはInstagram買収。
2014年には、メッセージングアプリのWhatsApp。
そして今のメタバースの元になっている、Oculus(3D眼鏡ゴーグルを作っている会社)。
それらを買収して、まあOculusはこれからなのですが、Instagram_WhatsAppなども非常に好調で、これらがFacebookに追加される形で業績を伸ばしてきました。
利益もちゃんとついてきたのです。
利益に関しては(まだ出てないですが)今期利益半減というところですから、ガツンと落ちるということになります。
ただ先ほど申し上げましたように、頭打ち感が非常にあるのです。
世界の人口のほぼすべてを取り尽くしてしまったからユーザー数は伸びにくい。
一方でFacebookがやってるのは広告だけ。
有料のサブスクサービスはないわけです。
ですから、現在のプラスアルファの収益というのはなかなか見込みづらいところですし、さらには実は規制当局、公正取引委員会的なところからかなり目をつけられている節があるのです。
というのも、InstagramとかWhatsApp。
InstagramはSNS、WhatsAppはメッセージングアプリなのですが、それらを取り込むことによって、そもそも競争を排除しようとしたのではないかと見られているのです。
競争、つまりSNSでライバルが本格的なライバルになる前に、自らの中に収めてしまって、ある意味潰そうとしたのではないかというような見方をされているのです。
実際Instagramに関しても10億ドル、およそ1000億円。
WhatsAppに関しては、2兆円もの金額をかけて買収しているのです。
そういったことから
「お金がいっぱいあるので、どこかM&Aしたら?」
「それこそTikTokのByteDanceを買えばいいんじゃないか」
みたいなことも、無きにしも非ずです。
しかし最早そういうのは、規制当局の公正取引委員会からおそらくOKが出ないだろうから、やはり行き詰まりがあるわけです。