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崩壊寸前のFacebook「衰退の5段階」の4段階目に突入へ。GAFAM脱落の日は近い?長期投資家が興味を失ったワケ=栫井駿介

衰退の5段階(ビジョナリーカンパニー)

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もう一つビジョナリーカンパニーに書かれていること。
「素晴らしい企業とは、衰退する企業はどんな経緯をたどるのか」という研究があるのです。

その研究によると、衰退の5段階というのがあります。

<1.成長から生まれる傲慢>

すでに成功した企業が、成長から生まれる傲慢。
まず、傲慢になるのです。

成長することによって、私はうまくいったからもう大丈夫だと。
このまま続けていればいいと思うのです。

<2.規律無き拡大路線>

その後第2段階、規律無き拡大路線。
絶好調ですから、いろんなものに手を出したりします。

もしかしたら、自分との繋がりの薄いところへも拡大してしまう。
それは財政的な余裕があるからこそ、できることでもあるのですが、そういった状況が起きることがあります。
しかしその中でいろいろ拡大していると、やはりいろんな問題が起きてきます。

<3.リスクと問題の否認>

しかし第3段階。
その次の段階に行ってしまうと問題です。

例えば買収した企業が良くないところだったと思っても、いやいやそんなそんなことはない。
私達だから解決できる。大丈夫だ、大丈夫だというふうに言って、リスクと問題の否認が起きるわけです。

その後最終的には屈服と凡庸な企業への転落か消滅、というところに陥ってしまうのです。

<4.一発逆転の追求 → 5.屈服と凡庸な企業への転落か消滅>

その間にあるのが、今回お示ししたい第4段階「一発逆転の追求」です。

こうやって、第3段階でいろいろ問題が起きてくる。
Facebookで言うならば、ガバナンスが効いていない。

様々な問題が起きる。
それから安全性よりも利益を追求しているという内部告発が出るぐらい、問題が起きている中で、その内部告発に対する明確な答えって示せてないのです。

そんな中で、いきなりそのメタバースをやりますという話が出ましたから、これはまさに本質的な問題から逃げて、一発逆転を追求しているのではないかと見えるわけです。

もちろんこの研究というのは事後のものなので、その瞬間でこうなっているかどうかというのは、今の時点で確定することはできません。
しかしながら、このビジョナリーカンパニーの「衰退の5段階」を読みますと、それそのものだと見えてくるわけです。

なぜこうなってしまったのか?

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ではFacebookが、なぜこうなってしまったのか?
(大きく分けて3つの理由が考えられると思われます)

<理由①長期ビジョンの不在>

これは私の考えなのですが、何より長期ビジョンの不在が大きかったのではないかと思います。
Facebookは、人と人とが繋がるということをビジョンに掲げています。

そもそもザッカーバーグ氏は、めちゃくちゃ頭のいい、切れる大天才です。
しかし、これほどまでの大会社にしようと思っていたわけでは、必ずしもなさそうなのです。

とにかく面白いから、最初はフェイスマッシュと言って、大学生らしいと言ったらあれなんですが、学内の女の子の顔を「この子はかわいい」「この子は可愛くない」とわける。
そういうアプリを作ったのです。

それは大学にやめてと言われてやめたのですが、そこから発展してきたのが、Facebookです。
だからあくまでその延長線上「面白いから」。

こういったものをやりたいよねという、純粋な気持ちで作ってきたからこうなったのだと思います。
しかし一方で楽しさだけでは、なかなか経営というのは進まなかったりします。

Next: GAFAMすべてに当てはまる?「衰退の第4段階」に突入したワケ

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