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崩壊寸前のFacebook「衰退の5段階」の4段階目に突入へ。GAFAM脱落の日は近い?長期投資家が興味を失ったワケ=栫井駿介

Meta(旧:Facebook)というと、アメリカの巨大IT企業「GAFAM」Google・Amazon・Apple・Microsoftに並ぶ、巨大IT企業の一角です。ところが、その株価は非常に大きく下落しています。それは業績悪化というのもあるのですが、それ以上にMetaの将来性がかなり不安視されているからではないかと思います。一方で株が下がっているので、Facebook自体は実際に利益を上げている企業ですから、とても割安ではないかという見方もあります。しかし私は決してそうは思わないです。なぜそう思わないのかということについて、Meta・Facebookの現状を解説していきたいと思います。少し概念的な話になるかもしれませんが、これを見ることで逆に素晴らしい企業とは何か?ということを、ご理解いただけるんではないかと思います。長期投資をやりたいと思っている方、あるいはビジネスで成功したいと思っている方は、ぜひご覧になっていただければと思います。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

株価下落

META PLATFORMS INC A<META> 日足(SBI証券提供)

META PLATFORMS INC A<META> 日足(SBI証券提供)

まず株価です。

年初来には元々338ドルだったものが、今や112ドルと、およそ3分の1になってしまったというところです。

-67%

他のGAFAMの銘柄も下がってはいるのですが、下がったり上がったりを繰り返して一進一退です。
しかしMetaに関しては、ただダダ下がりという状況になっています。

それほど投資家からの期待が剥がれているということです。

業績悪化

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<メタバースへの投資コスト増>

業績悪化が起きていまして、まだ利益は出ているのですが、この「メタバース」。

直近で名前をフェイスブックから、Metaに変更したのを覚えてらっしゃる方は多いのではないかと思います。
社運をかけて、メタバースの世界を構築しようとしているのです。

そのためのお金は潤沢にあるわけですから、メタバースをインターネットの次の世界だということで、多額の資金を突っ込んで構築しようとしています。

しかしながら、この関連損失というのが直近3ヶ月で36億ドル。
わずか3ヶ月で5100億円もの損失を出しているのです。

売り上げはほとんど立っていないばかりか、日本円にして数百億円だったと思うのですが、それだけ頑張っているかと思いきや1年前に比べて、メタバース関連の売上高も実は減っているのです。

一方で投資は増えていますから、損失を拡大するばかりという状況です。
Facebookの本体の方で利益を出してはいるのですが、経費が大きくなりまして、利益自体も第2四半期に1年前と比べて半減というところ。

さらにはこれが今すぐ終わるのではなくて、来年ももっと続く。
メタバースへの投資が続いて、そのコストによって赤字になると言っているのです。

(赤字が)大幅に拡大する。

そう言われて、今投資したい投資家はなかなかいないのではないかと思うわけです。
逆に言うとこの投資がなくなれば、Facebook上の方では利益を出していますから、もしかしたらメタバースをどこかで諦めるのではないかという見立てでもあれば、買えるという考え方もあると思います。

<売上成長がマイナスに転換>

実はそのFacebookも順調ではなくて、売上成長がついにマイナス。
ずっと成長を続けていたのですが、ついにマイナスに転換してしまったのです。

直近3ヶ月は売り上げが-4%。

Facebookの主な収益源というと、ほとんどが広告なのですが、このインターネット広告。
コロナ禍でみんながネットにずっと居座るようになったので、実はネット広告はすごい売上高伸びています。

Googleは非常に伸びてて、一方で両者ともに今は鈍化して、コロナ禍のような伸びは見られなくなっているというところがあります。
Googleはまだプラスで踏みとどまってるのですが、Facebookはマイナスに転じてしまった。

Facebookの方が、Googleよりも悪い可能性があるものとして、ユーザー数。
アクティブユーザー数がおよそ1年前についに減少に転じているのです。

つまりどういうことかというと、Facebookをよく使う人が明確に減ってきているのではないかという兆候が見えるわけです。
これがコロナ禍の反動減なのか、あるいは長期的な衰退への転換点になっているのかというのが、投資の判断をする一つの分岐点になってくるわけです。

またライバルもいて、今飛ぶ鳥を落とす勢いで伸びているのが、中国ByteDanceのTikTokです。
これに対抗して、FacebookもGoogleもショート動画をどんどん出そうとしているのが明らかに受け取れます。

しかしやはりTikTokは強い。
全世界で今10億人ぐらいのユーザーがいます。

一方でそのFacebookの方は30~40億とも言われますから、まだ勝ってはいます。
しかし当然アクティブ(ずっとアプリを開いている時間)というのは、1人1人の中で限りがありますから、その時間を奪われているというところがあると思います。

Next: 実は業績好調?なぜメタバースにこだわるのか

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