Facebook(Meta)に関する不祥事
また不祥事というのも様々起きていまして、2016年に結構問題になりました。
トランプ大統領が当選した大統領選挙。
アメリカ大統領選挙において、ロシアの関与があって、トランプ大統領に有利になるように、Facebookの表示などが行われたのではないかという疑惑が働いていたのです。
2018年、8700万人分の個人情報流出というのもありました。
さらには、2021年の内部告発です。
Facebookの従業員が、この会社は安全性よりも利益を優先していると。
例えば途上国における人身売買とか、ポルノだとか、そういうふさわしくないコンテンツを「広告収入が得られる人々の関心を引くから」という理由で削除せずに出し続けた。
あるいは「Facebook内部のプライバシー満載の情報を社員が一部見ていた」とか、「政治的にも偏った情報が流れるようになってるのではないか」という噂が絶えることがないのです。
こういったこともありますし、特にアメリカにおいては、もう人口のほとんどがFacebookに登録している状況ですから、政府もかなり煙たいわけです。
大統領選挙を操作したというぐらいに、Facebookの動き一つで世論が大きく動いてしまいかねないところがあるわけです。
そのため、非常に政府からマークされて、結構八方ふさがり的な部分がある。
ある意味、かわいそうなところはあるわけです。
一発逆転を狙いたいザッカ―バーグ氏
こういった状況の中で、一発逆転を狙いたいのがザッカーバーグ氏です。
Metaを立ち上げる前に、リブラと言って仮想通貨を本格的にやろうとしたのです。
しかし実はこれは中央銀行の手によって、はっきり言って潰されてしまって、もうほとんど亡き者のようになってしまっています。
このことからも、やはり相当政府から警戒されてると見えるわけです。
もうそれ(仮想通貨)はできないということで、満を持して立ち上げたのが、このMetaというところになってきます。
ただ私はMetaに参入したというのは、正直評価していないのです。
なぜならFacebook、確かにこうやってSNSとして人と人を繋ぐというビジョンを持ってやっていますし、実際にFacebookでそれを実現しています。
しかしメタバースの世界って、またそれとは別だと思うのです。
Facebookは、リアルと実名同士の繋がりが大事だったのですけれども、メタバースってどちらかというと匿名です。
「全く自分が今住んでいる世界とは違う世界を体験したい」と思う人のためのものではないかと私は思ったりします。
確かにオキュラスみたいな物を作って、このゴーグル自体は他のVRゴーグルに比べたら評価は高いのですけれども、抜きん出ているかっていうとそこまででもない。
つまり、現時点で必ずしも強みを持っているわけではないところにも、これだけお金を垂れ流して損失を出してまで、でかい賭けを行っている。
ハリネズミの概念(ビジョナリーカンパニー)
これをどこかで見た状況だと思ったら、思い出しました。
それが「ビジョナリーカンパニー」という本があるのです。
コリンズという人が書いたんですが、ここには長きにわたって成長を続けてきた素晴らしい企業とそうでない企業。
それは同じ事業だったり、あるいはかつて素晴らしい企業だったけれども、停滞してしまった企業。
そういった企業を分析している本があるのです。
ぜひ皆さんにも読んでいただきたいと思うのですが、その中で企業が成功する素晴らしい企業になる条件として書かれているのが、「ハリネズミの概念」というものです。
ハリネズミの概念は何かというと、素晴らしい企業・長期で成長を続けている企業というのは、三つの条件があると言われています。
- 情熱を持って取り組めることに取り組んでいる。
- その分野で経済的原動力になる。(例えば情熱を持って取り組むことによって、利益を上げられる。あるいは効率よく利益を上げられるものである。)
- その分野で世界一になれる。
これらが全部合致して、この分野をとにかくひたすらわき目を振ることなく磨き続けることによってのみ、素晴らしい企業の核を作ることができる。
これこそがハリネズミである。
ここの分野に注力することが大事だと言っているのです。
Facebookというサービスは、はっきり言ってここだと思うのです。
Facebookを素晴らしくすることに、CEOのザッカーバーグ氏は情熱を持って取り組んでいますし、それは広告収入というところで、経済的にもかなり成功している。
間違いなく世界一です。
Facebookを磨き続ければ、私はまだまだいける会社になれるのではないかと思います。
しかし一方で今、Facebookがやろうとしてるのは、世界一になっている、Facebookを改善させる努力をひたすら続ける、非難されながらも、いろんな悪いことがありながらも続けるのではなくて、まだ勝負がどうなるかわからない(いろんな参入もあるでしょうし)そもそもメタバースというものが人々に普及するかどうかすらわからない状況で、赤字になりそうなぐらいお金を投じてやってしまっている。