本邦のメガバンク3行が外債投資に完全に失敗して、抱える含み損が9月末時点で合計4兆円を超えていることが判明。収益への重大な影響が懸念されはじめています。数年前、やはり外債購入で失敗した地銀が、年度末が近づいた2月頃からぼろぼろ米債を売って、損失確定したあとに円転し、国内に資金を一斉に戻したことがありました。来年も同様のことが起きれば、本邦金融機関起因で円高が進むリスクも考えられるだけに、ここからの推移には相当注意が必要になりそうです。(『 今市太郎の戦略的FX投資 今市太郎の戦略的FX投資 』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2022年12月2日号の一部抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月分無料のお試し購読をどうぞ。
日銀、保有国債に含み損8,749億円
足もとでは、日本銀行が保有する国債の評価損益が今年9月末に8,749億円のマイナスとなったことが明らかになり、2013年4月の異次元緩和導入以来、とうとう含み損への転落となったことが報道されています。
日銀の場合、満期保有を堅持していれば時価総額ベースの含み損は損益には反映されません。
さらには、FRBがQEの実施で抱える保有米国債の含み損は今年11月23日現在で3923億ドル(日本円にして55兆円)とのこと。
FRBのほうがはるかに危機的状況で、日銀など大した話ではないという声も聞こえてきます。
本邦のメガバンクが外債投資に失敗、含み損は合計4兆円に
そんな中で本邦のメガバンクが外債投資に完全に失敗して、抱える含み損が3社合計で9月末時点で4兆円を超えていることが判明。収益への重大な影響が懸念されはじめています。
今年9月末時点でのメガバンク3行の外債の評価損は、
MUFG:1兆8,409億円
三井住友FG:1兆493億円
みずほFG:1兆817億円
と、合計ですでに3兆9,719億円にまで達しています。
これが今年の6月末と比較すると1.5倍にも膨れ上がっているということですから、足もとではかなりドル円の上昇が抑えられ、逆に円高に走り始めていますから、ヘッジ付きの部分の為替損失は減少しているのかも知れませんが、ここからの米債金利はさらに上昇しそうな状況。
2022年度末にはどれだけの損失が出るのか、かなり注目されるところとなってきています。
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