地銀もヤバい?本邦金融機関起因で円高が進むリスクも
数年前、やはり外債購入で失敗した地銀が、年度末が近づいた2月頃からぼろぼろ米債を売って、損失確定したあとに円転し、国内に資金を一斉に戻したことがありました。
来年も同様のことが起きれば、本邦金融機関起因で円高が進むリスクも考えられるだけに、ここからの推移には相当注意が必要になりそうです。
ここではメガバンク3行の含み損の数字しか取り上げていませんが、地銀なども同様の投資を行っていた可能性は高く、1行ずつの金額は小さくても、まとまると結果的に大きな数字になっている可能性は十分に考えられるところです。
各行ともこうした含み損は収益には影響を及ぼさないとしているようですが、その損失金額はあまりにも大きく、結果的に悪影響を及ぼすこともありえそうな状況になってきています。
為替は市場状況の鏡ともいえる存在ですから、来年の年度末が近づくとこうした損失の影響が相場にもろに現れることに注意が必要です。
メガバンクの運用知見は下手くそ個人投資家のそれと大差なし
90年代初頭には、都銀でも地銀上位行でも、外債運用についてはそれなりのプロが各行に存在してかなりの利益を得ていたもの。
しかし、不良債権処理からメガバンクへとシフトしてみたら、その手の知見はまったく失われてしまい、30年も経過するとスキルトランスファーのかけらも残らずに知見が消え失せるという結果に終わっています。
本来、今年のようにドル円が上昇するなら、ヘッジ付きでドル円を売らずにオープン外債を購入していれば米債の価格下落による損失は為替のドル高で十分に補うことができたはずなのですが、どこも金融庁からのお勧めにそのまま乗る形で運用してしまったが故に、大損を被る結果となってしまっています。
今やメガバンクの運用知見は本邦の下手くそ個人投資家のそれとあまり大して変わらないレベルになっていることには改めて驚かされる次第です。
これが挙句の果てにまた為替市場に影響を与えることになるというのはなんともやるかたない状況です。
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『
今市太郎の戦略的FX投資
今市太郎の戦略的FX投資
』(2022年12月2日号)より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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