投資所得の増加が経済成長性を高める
以前から 本メルマガ 本メルマガ でも何度か書かせていただいているのだが、米国や中国など直近で大きな経済成長を遂げている国は、国民が投資によって資産を増加させ、資産が増加することによって個人消費が増加するという「資産効果」を最大限に活用することで経済を成長させている。
米国の例を見てみると、米国の個人金融資産のうち現預金の占める割合はわずか13.7%であり、投資信託12.6%、株式39.8%を合わせた株式市場に関わる資産だけで52.4%と過半数を超えている。
保険、年金、定額保証28.6%も間接的にではあるが積極的に株式に投資しており、それらを合計すると個人金融資産の8割が株式市場に関連している。
米国株は、2022年に入って調整局面に入って下落しているが、リーマン・ショック後15年間も長期上昇しており、その上昇によって国民の懐は潤い、消費に回すことで経済成長するという良い循環が生まれてきた(米国企業は自社株買いと配当によって高い株主還元を行っているという要因もある)。
一方、日本は個人金融資産の54.3%が現預金に据え置かれており、投資信託4.5%、株式10.2%を足しても14.7%、保険、年金、定額保証の26.9%を足しても41.6%である(日米いずれの数値も2022年8月の日本銀行調査統計局の「資金循環の日米欧比較」による)。
日本では株式市場が上昇しても、米国ほど個人の懐が潤うことはなく、「資産効果」による経済成長があまり期待できない構造となっている。
「貯蓄からの投資へ」は成功するか?
岸田総理が打ち出した「資産所得倍プラン」は、このような日本の構造に風穴を開けようという動きであるが、新NISAはその目玉である。
新NISAは制度としては悪くないものになりそうなので、あとは供給側の金融機関が制度を満たせるような商品を組成して提供できるかどうかだと考える。
日本の個人金融資産の現預金偏重という状況はすぐには大きくは変えられないだろうが、新NISAを含めて個人投資家が資本市場にお金を回しやすくなるような制度を積極的に進めていくしかない。
高齢化も進むことにより、株式市場にお金が回り、株式市場が上昇することによる「資産効果」によってレバレッジが効くような経済体制にしないと、今後の日本経済の成長は難しいだろう。 ※2022年12月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。
※本記事は有料メルマガ『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』2022年12月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。 ※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込880円)。
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』(2022年12月13日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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