賃金を上げるには、株価を上げればいい
日本は、物価下落が進行しても、賃金は下がりません。一定のまま、です。そして今回のように物価が上昇しても横ばいのままです。
それを岸田さんが上げようとするのです。私から言わせれば、どうやって? ということです。
賃上げを実施するのには企業収益を拡大させればいい、ということです。そのためには株価を引き上げればいい、わけです。
そして今年の場合、今まで中国が不振で、これがゼロコロナの実質解除で、今後、中国経済が回復する、そしてコロナ復興もまだなされていない。参考までに、アメリカもちっともコロナ復興がなされていない状態だと私は考えています。
その日本株の上昇というのは、誰が政権をやっていても、よほどの間抜けなことをやらない限りは株価は上昇するでしょう。たとえば、リーマン後のオバマやチャイナ、南欧州ショック後のトランプ、コロナショック後のバイデン、これらが政権に就くと株価が上昇したのは、彼らが有能という見方もありますが、放っておいても、安すぎたのだから上がって当たりまえの話なのです。
岸田さんも同じです。
そこにレバレッジをかけて上昇させ、企業収益を改善して、アベノミクスのときには足りなかった、賃金上昇のお題目を今度は絶対やるぞ、ということなのです。
異次元緩和「第2弾」が来る?
ほかに株価を上昇させる方法、安すぎたのだから株価が上がるという方法以外は大規模な金融緩和しかないのです。
今回のインフレは日本の場合、バラマキすぎても、インフレにならないのですから、もっとばらまいても大丈夫、と判断するのは普通ではないでしょうか?もちろん、それに伴う副作用も懸念されますが、アメリカの2倍〜3倍の緩和をすれば、デフレが終わる可能性が高いですよね。
今の状況を考えてください。アベノミクスのスタートは2012年12月の第2次安倍政権発足、2013年4月の黒田総裁就任で異次元緩和スタートの号砲が鳴ったのです。
今回も12月にいろいろと緩和をやりますよ、みたいな発言が多く出て、喧嘩していると思った日銀と政府が再び手を握って「物価上げますよ」宣言です。じゃ、どうやって?と考えると、方法は緩和しかないのです。
新総裁がまた、異次元緩和パート2を言い出す可能性の方が高いでしょう。今「緩和をする」と言えば相当な批判が起きますので、おそらくサプライズ的に新総裁のもとでやるのではないか、と私は思っています。
もっと正確に言うと「その可能性は非常に高い」と思っています。