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アップル「脱中国」は達成間近。消えた中国の世界的輸出増、サプライヤーの9割がインド・ベトナム移転へ=勝又壽良

西側が中ロを警戒へ

米中対立激化の背景には、ロシアのウクライナ侵攻がある。米国を中心とする西側諸国は、ロシアに対して不退転の決意で臨んでいる。ウクライナ侵攻がロシアの勝利に終われば、高い確率で中国の台湾侵攻が現実化することを危惧しているからだ。

2月に開催された「ミュンヘン安全保障会議」で、米国はこれまでの最大級となる代表団を送った。副大統領、国務長官、中央情報局(CIA)長官のほかに、約50人の連邦議員も加わった。米国が発信したメッセージは2つとされる。第1に、ロシアが敗北するまで、決してウクライナへの軍事支援を緩めない。第2に、民主、共和両党とも、この政策では一枚岩であるというのだ。

このミュンヘン安全保障会議で、米国は侵略を許さないという強い姿勢を見せた。これは同時に、中国に対しても台湾侵攻を排除するというメッセージである。これに対して中国は、米国へ強い対抗心を見せている。

中国の秦剛外相は3月7日、米中間の緊張を高めているのは米国だと非難した。米国が進路を変えなければ、「衝突と対立」が起こると警告したのである。また「米国が自国を再び偉大な国にしたいという野心を持つなら、他国の発展にも広い視野を持つべきだ」と指摘した。『ロイター』(3月7日付)が報じた。

この秦氏の発言からも分かるように、中国は経済的にかなり米国から追い込まれていることを示している。

中国は、台湾を自国領であるとしている。台湾には、独自の主権を保持してきたという厳然たる事実が存在する。中国は、この台湾主権を戦争によって奪おうとしているのだ。国際社会が、それを受け入れられるはずもない。

こういう状況下で、中国はどのように折り合いをつけるかである。

まさに、中国の知恵が問われている。同じ中華民族である以上、「共存共栄」という道を選べなければ、中国が西側諸国から包囲されるのも致し方ないであろう。包囲は、中国の衰退を意味する。

既述の通り、アップルのサプライヤーは、大挙してインドへ移転する圧力を受けている。数百万人の雇用が、インドへ移る危険性が高まっているのだ。中国の産業空洞化は確実に進むであろう。世界的ハイテク企業の生産部門を失うことは、関連産業の発展を阻止するのだ。

Next: 力を失いつつある習近平政権…サッカー中国代表の弱さからも明らか?

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