伊勢志摩サミットの“失点”で自縄自縛に追い込まれた日本
しかし、それに騙されて「ヘリ・マネ」を続けると、所得再配分という財政機能、金融仲介という金融機能を破壊し、政府が率先して「偽小判」の鋳造に励むのと同じことになります。
これは悪性のインフレにつながる面があり、一旦始まると止めるのが困難になります。
今はデフレだからインフレの心配は無用、インフレになったら2%の目標があるから抑えられる、との説がありますが、一旦秩序を壊してしまうと、2%の目標に収めることはまず不可能です。
サミットで世界を動かせなかったばかりに、日本は無理を強いられ、自ら危険な選択に向かおうとしているような気がしてなりません。
本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2016年5月29日)
※太字はMONEY VOICE編集部による
初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中
マンさんの経済あらかると
[月額880円(税込) 毎週月・水・金曜日(祝祭日・年末年始を除く)]
金融・為替市場で40年近いエコノミスト経歴を持つ著者が、日々経済問題と取り組んでいる方々のために、ホットな話題を「あらかると」の形でとりあげます。新聞やTVが取り上げない裏話にもご期待ください。