株価はどこまで下がるのか?
株価は一体どこまで下がるのでしょうか?
23年8月24日の終値は株価は2万4,150円、PERは26.8倍、予想EPSは901円です。
コロナショックのPER水準は約20倍ですから、過去の暴落水準を現在に当てはめるならば、約1万8,000円まで株価が下落することになります。
しかし、現実的にはPERを基準に考えるよりも、EPSの下落、つまり業績の下方修正が訪れる可能性の方が高いように感じます。ダイキンはエアコンを売ってなんぼの企業であり、ストック収益性が高い企業ではありません。
従って、アメリカの本格的な景気後退や金利の高止まりが続いた場合、住宅需要の低減に続き、エアコン需要が落ちる可能性があります。
例えば、今期当期純利益が10%下方修正され、810円となった場合を考えます。PER26.8倍だった場合の株価は2万1,732円となります。
従って株価がこれ以上下落する場合は、10%の下方修正がなされた時2万2,000円前後、急激な景気後退が訪れた場合は1万8,000円前後が基準となるかもしれません。
約2週間で20%近く下落したダイキンですが、暴落前のPERは約30倍でした。
過去5年間の平均PERは26倍と、現在の水準とほぼ同じです。つまり、現在の2万4,000円は特需的な成長期待が剥落し、現実に戻されたようなイメージを持っています。
しかし米国と欧州で販売数量が落ち込むの兆しはあるものの、私は「良い企業の株価が割安になった」そんな印象を持っています。
すでにダイキンに投資している方は買い増しのチャンス、これから投資したい方もチャンスがきているかもしれません。
単元で買うとしたら200万円以上もかかってしまう銘柄ですから、目先の景気・業績動向には留意しつつも、単元未満株なども活用しながら少しづつ投資することも考えても良いのではないでしょうか?
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『
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
』(2023年8月25日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。