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なぜ「ダイキン」過去最高益も株価20%下落?直面している3つのリスク。長期投資家はどう判断すべきか=佐々木悠

ダイキン工業<6367>の株価が2週間で20%近く下落しています。なぜでしょうか?また、株価はいったいどこまで下がるのでしょうか?ダイキン株に投資する上での、3つのリスクを考えていきましょう。すでにダイキンに投資している方、これから投資したいと考えている方、必見の内容です。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』佐々木悠)

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プロフィール:佐々木悠(ささき はるか)
1996年、宮城県生まれ。東北学院高校、東京理科大学経営学部卒業。協同組織金融機関へ入社後、1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得。前職では投資信託を用いた資産形成提案や多重債務者への債務整理業務に従事。2022年につばめ投資顧問へ入社。

ダイキンはどんな会社か?

ダイキンは家庭用・業務用のエアコンの製造・販売を行う会社です。

業績は右肩上がりで成長しており、今期24年3月期には過去最高の売上・利益を達成する見込みです。

ダイキン工業<6367> 業績(SBI証券提供)

ダイキン工業<6367> 業績(SBI証券提供)

あなたのお家のエアコンはダイキンでしょうか?

そのほか三菱電機やパナソニック製のエアコンを使っている方もいると思いますが、エアコン業界において世界1位の売上規模を誇ります。

大阪に本社がありますが、海外売上比率が80%を超えているグローバル企業です。世界の気候や内装文化の違いに合わせた空調の製造・販売を行っており、アフターフォロー体制まで確立している企業です。

23年3月期 有価証券報告書より作成

23年3月期 有価証券報告書より作成

​​地球温暖化の影響でエアコンの需要が伸びることが予想され、今後も成長が期待できる企業の1つです。

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上記の記事でも解説したように基本的には成長路線を歩んでいる企業ですが、目先の株価は大きく下落しています。それはなぜでしょうか?

ダイキンへ投資するリスクとして、「米国・欧州の販売動向」「米国株式市場の動向」「中国不動産市況」の3つを考えていきます。

リスク1:米国・欧州の販売動向

ダイキンの株価推移を見てみましょう。

ダイキン工業<6367> 日足(SBI証券提供)

ダイキン工業<6367> 日足(SBI証券提供)

ダイキンの決算には期待が高まっていたと言って良いでしょう。

23年7月2日に日経新聞からアメリカでヒートポンプ空調「特需」というニュースが報道されました。「アメリカのエネルギー消費の4割を占める暖房から温暖化ガスの排出を削減できる、という認識が広がり市場は特需に沸く」とされ、記事の中でダイキンが触れられるなど、決算の期待値が高かったのです。

このように元々好調だった米国市場に更なる追い風が吹くことが予想されましたが、決算でその期待が裏切られることになります。

売上は前年同期比+13%、営業利益+9.3%と悪い決算ではありませんでした。

Next: なぜ好決算で株価が下がる?ダイキンが抱えるリスク

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