選挙イヤーに起きた米国の「120年ぶり」と日本の「66年ぶり」は何を意味するか?
NYダウ創設以降120年間に一度もなかったことが起きている。これまで大統領選挙の前年は例外なくNYダウは年足陽線だったが、昨年は陰線だった。この「120年間ぶり」は何を示唆するのか。
戦後初めての出来事がもう1つある。東京市場で、正月明けの大発会から5日連続安ということは戦後、東証開所以来66年間なかったが、それが今年生じたのである。しかも6日連続安を記録した。この「66年ぶり」は何を象徴しているのか。
ここで脳裏をよぎるのは1990年大発会からの大暴落である。あっという間に1万円下がって半値になった。この史上初の事件は、その後の「失われた20年」を予告する警鐘シグナルだったのだ。
当時それを見抜いていた人は世界にただ一人、元野村総研の高尾義一氏であった(『平成金融不況』中公新書)。しかも副題は「その中間報告」となっていた。
お笑いだったのは同時期に日銀理事出身の野村総研理事が『日本経済、陽はまだ高い』を著していたことだ。噂によればコトの真相を早くから見極めていた高尾氏は野村総研の中でホサれていたという。
それでもガリレオと違って存命中に自らの言い分の正しさが事実で証明されたのだから、高尾氏よ、以て瞑すべきであろう。