新型NISAを使うときの3つのポイント
問題は、どんなに投資環境が改善され、税制が優遇されても銘柄選びや売買のタイミングを間違えれば儲からないということだ。
新型NISAは、あくまでも超長期の資産形成に使うべきであって、日々の売買に使う口座ではない。そういう意味では、やはり「つみたてNISA」を活用すべきであり、積み立て以外の資金は、株価が割安な銘柄を探すか、相場全体が大きく下落したときなどに使うべきだろう。
いくつか、新型NISAを使うときのポイントをまとめると次のようになる。
<ポイントその1:分散投資を心がける>
日本だけではなく海外の市場にも積極的に投資することを心掛けたい。時間を分散して少額をコツコツと積み立てていくことも大切だ。
とりわけ、今後NISAで個人のマネーが海外に流れていくとすれば、円安がさらに進む可能性が高い。個人投資家が円を売って、海外の資産に投資するからだ。為替ヘッジをしないで海外の資産を積み立てていくほうがベターかもしれない。
毎月1万円積み立てても、これまでの日本では10年で120万円程度にしかならないが、海外の金融資産であれば円ベースでも数倍になっている可能性もある。
<ポイントその2:安い時期に買う>
日本の投資家の悪い癖は、付和雷同型の投資行動が多いことだと言われる。
ウォーレン・バフェットが日本の商社がいいと言うと、みんなが一斉に商社株に投資する。AIや半導体と言われると、一斉にその方向に向いてしまう。
しかし、株式投資には「人の行く裏に道あり花の山」という格言があるように、他人とは異なる道を行くほうがいい。
さらに「噂で買って、ニュースで売る」という言葉があるように、ニュースが流れた段階では相場は終わっている可能性が高い。最近はネットの影響で情報の伝達スピードがプロアマ関係なく早い。
そう考えると、リーマン・ショックとかコロナ禍など株価が大きく下落したときに買うのが一番いいのかもしれない。それまで辛抱強く待てばいいだけのことだ。
<ポイントその3:難しいのは利益確定>
さらに株式投資で難しいのは、買うときよりも売って利益を確定することや、損切りするときなど「売りのタイミング」だ。
損切りは、できればやらずに何年でも持ち続けるという投資方法もあるが、さっさと損を確定して新しい銘柄にシフトすべきだという人もいる。経験を積んで、学んでいくしかないだろう。
いずれにしても、円安圧力は今後も続くはずだから、日銀の「金利のある世界」を待つのではなく、積極的に円に見切りをつけて、預金から投資へ、円資産から外貨建て投資へとシフトしていくのも1つの方法だ。
時代は大きな変化を遂げようとしているのだから、いつまでも資産運用しないという選択はもうないはずだ。むろん、投資にはリスクも付きまとう。しかし、投資のリスクは長期投資することで軽減されるはずだ。
本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2024年1月31日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による









