プーチン「南ドイツ新聞はゴールドマンにコントロールされている」
ここで、この三文芝居の舞台を演じている、それぞれの役者について、もう少し説明しておきたいと思います。
まず最初に、モサック・フォンセカ法律事務所の共同創設者、ラモン・フォンセカとユルゲン・モサックの2人が、英国王室とロスチャイルドの利益のために働いてきたエージェントであったことは、メルマガ第156号に書きました(ブログのダイジェスト記事)。
次に、“ジョン・ドゥ”という匿名のエージェントによってパナマ文書が持ち込まれた南ドイツ新聞についてですが、プーチンが興味深いことを述べています。
ロシアのプーチン大統領は4月14日、ロシアの視聴者が参加する毎年恒例のテレビ番組に出演したとき、「南ドイツ新聞の親会社のオーナーは、米投資銀行ゴールドマン・サックス・グループで、ゴールドマンとパナマ文書のリークに関わりがある」との見方を示しました。
これについて、ゴールドマン・サックスは沈黙を守り続けています。
米国の広報紙、NATOの忠実な賛同者
そもそも、ドイツの高級紙と言われている南ドイツ新聞(本社はドイツのミュンヘン)は、第二次世界大戦後、アメリカから発行を許された最初の新聞です。つまり、米軍の広報紙としてスタートした新聞です。
こうした背景から、このミュンヘンで発行されている日刊紙はNATOの忠実な賛同者です。
また、南ドイツ新聞は、ガーディアン、BBC、ル・モンド、国際調査報道ジャーナリスト連合((International Consortium of Investigative Journalists: ICIJ)他の、国際的に名の通っているいくつかの報道機関と協力関係を築いています。
つまり、ドイツの新聞とはいえ、西側のプロバガンダを展開している典型的な西側エスタブリッシュメント支持の新聞なのです。
ちなみに、ドイツにおける世論を主導している主な調査報道機関は、南ドイツ新聞を筆頭に、スピーゲル(SPIEGEL)、ベルテルスマン (Bertelsmann AG:ドイツに本社を置くメディア・コングロマリット)、シュプリンガー(Springer:ドイツ最大の新聞・雑誌・出版コングロマリット)です。
これらのすべては、アトランティクブリュケ(Atlantik-Bruecke:プロ組織を結合する目的で設立されたアメリカのロビー組織)のメンバーである出版刊行物です。
プーチンや習近平の「スキャンダル」は客寄せパンダ
これらのメディア群は、パナマ文書のどこにもプーチンの名前が出てきていないにも関わらず、あたかもプーチンが汚職を働いている人間であるかのように描こうとしましたが、その策略は見事に失敗しました。
もちろん、これらのメディア群とて、ロシアのプーチンの強固な国家体制の下では、こうしたネガティブ・キャンペーンが奏功しないことぐらい承知のはずです。
当面の彼らの目的は、パナマ文書の一般公開を世界的なタックスヘイブン狩りの大きなうねりにつなげながら、その次にやって来るデジタル通貨革命への気運を醸成することです。
プーチンや習近平のスキャンダルめいた捏造記事は、単なる“客寄せパンダ”に使われたに過ぎないのです。