総合スポーツ用品メーカー大手の「ミズノ」が生産している、プロ野球で使用されるボール“統一球”を巡って、今年は極端に飛ばないボールが出回っているのではないかと、当事者の選手らはもとより、ファンの間からも疑念の声があがる事態になっているようだ。
実際今シーズンの12球団全体のホームラン数をみてみると、シーズン開幕から対戦が一巡した時点で今年は合計66本(82試合)に留まっており、昨年の同時期が98本(79試合)、一昨年の同時期は108本(80試合)という数字と比べても、極端に少なかったとのこと。
一部のメディアやプロ野球ファンの間で、そんな“異常事態”が取沙汰されるなかで、先週18日には史上最年少の三冠王として知られるスラッガー、東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手が「打球速度と飛距離がちょっと比例していないところがある」とコメントするなど、現役選手からも今年のボールの飛びにくさを指摘する声があがる事態に。
それを受けてなのか、19日になってミズノのオンラインショップでは、今年の統一球販売ページが丸ごと削除され、一時的に購入ができない状況に。その後ページは復活したのだが、同じ統一球でも、それまで販売されていた品番とは異なるものだったという。
ミズノオンラインで今年の統一球がページごと削除されて購入できなくなっていた。
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— 宮下 博志 (@saber_metmh) April 19, 2024
さらに、直前の16日~18日の3日間・全15試合において13本しかなかったホームランが、19日に行われた全6試合では13本飛び出す結果に。
こういったいかにも不自然な事象を受けて、プロ野球ファンらの間では、今シーズン当初における“飛ばないボール”の使用と、それを19日を境に取りやめるといったことを、日本野球機構(NPB)とミズノが結託して、秘密裏に行っていたのではないか……との憶測が広がる事態になっているようなのだ。
選手生命の長短にも関わる一大事
野球のボールの飛びやすい・飛びにくいといった仕様の急激な変化は、過去の記録との整合性が取れなくなるといった問題もさることながら、例えば今年のような極端に飛びにくいボールが使用された場合だと、バッターからすれば打撃成績の低下に直結しかねず、翌年の年俸にも大いに影響、また下手をすれば解雇にも繋がりかねない。
このように、プロ野球の選手からすれば労働条件の大きな変化、あるいは契約の不完全履行といった事態とも捉えうる一大事なだけに、仮にそのことを選手側にまったく説明することなく、こっそりと変えていたとなれば、批判が集まるのは無理もないといったところである。
秘密裏でのボールの仕様変更ということでいえば、NPBとミズノには“前科”がある。そもそも過去のプロ野球では、各球団の裁量で様々なメーカーのボールが試合で使われていたのだが、球団間での公平性を期すなどの理由で、2011年から12球団すべてがミズノ製の低反発ゴム材を用いた統一球を使用することになった。
しかし、同年と翌2012年はボールが極端に飛ばず、各選手の成績も極端な“投高打低”の傾向になったのに対し、その後の2013年は一転してボールが飛ぶように。選手やメディアからは「ボールが変わったのでは?」という声が噴出したのに対し、当初NPBやミズノは頑なにそのことを否定していたものの、その後選手会が統一球の検証と説明を求めたところ、NPBがボールの仕様を変えていたことを認めるに至った。
結局のところ、2011~12年に使われていた統一球は、平均反発係数が定められた規格よりも低い、いわば“欠陥品”が多く含まれていたとのこと。しかしそのことの公表もさることながら、事前にその欠陥統一球を大量に購入していたがために、2013年からの仕様変更を公表すれば、それらの在庫がすべて無駄になってしまうということもあり、それゆえNPBやミズノはそれらをまるっと隠ぺいしたというのだ。
SNS上では叩かれてばかりのミズノ
こういった過去の不祥事もあり、今回も同様にNPBが何らかの理由や思惑で“飛ばないボール”を使ってはみたものの、その影響が各選手の成績に如実に表れてしまい、慌てて元に戻したのでは……というのが、多くの野球ファンによる見立てのよう。
SNS上ではNPBやミズノに対して、その隠ぺい体質が以前から全く変わっていないのでは……といった批判もあがるいっぽうで、ボールを生産したミズノに関しては、今のところ意図的に飛ばないボールを納品したのか否かは分かってはいないものの、一部の野球ファンからは「まともにボールも作れないのか?」といった趣旨の批判もあがっているところ。
そうでなくともミズノといえば、最近は過去最高益が確実視されるなど業績は絶好調で、株価も年初来から実に80%以上も上昇している反面で、今年2月には、大阪市内の商店街を80人ほどの集団で、大音量の音楽とともに疾走するという“迷惑行為”に及んだランニングコミュニティーを、こともあろうか同社が後援していたことが判明し、謝罪に追い込まれるといった出来事も。
さらに近年では、日本維新の会のいわゆる“お友達企業”だと揶揄されることも多いミズノなのだが、その一連で最近話題となったのが、大阪・関西万博の公式キャラクターである「ミャクミャク」をモチーフにしたスニーカー。
シューズ本体の青とソールの赤との配色がド派手なこのスニーカーに対しては、「攻めすぎ」「ちょっと欲しいかも」といった肯定的な意見もみられるいっぽうで、維新とミズノの蜜月ぶりを連想するものだとして「気持ち悪くて…」「維新に弱味でも握られてるの?」「これ履いてると維新信者認定されそう」などといった声も多く、まさに賛否両論が飛び交っているというのだ。
維新に作らされたのかな?
それともミズノが率先して作ったのかな?
どちらにしろ気持ち悪くてスニーカーとして魅力を感じない。
10年後、プレミアがつくかもしれないので転売ヤーは買えば良い。 https://t.co/BLgjyGGRa3— ED_209 (@ED_2_0_9) April 16, 2024
MIZUNOは維新に弱味でも握られてるの? https://t.co/47lshXFAM8
— sana (@801) April 16, 2024
これ履いてると維新信者認定されそう#万博中止 #大阪万博 #大阪万博中止でええやん #大阪 #ミャクミャク#吉村知事 #維新
【大阪万博】“ミャクミャクスニーカー”誕生! 人気と同時に集まる悲鳴「なぜ作った?」ミズノに聞いた(SmartFLASH)#Yahooニュースhttps://t.co/yQ4df7UYQG— 長州テ◯リスト (@bSW7WJ9PqfbUL51) April 15, 2024
このように、これでどうして業績が右肩上がりなのかと疑問に思うほど、殊にSNS上においては叩かれることの多いミズノなのだが、今回の“ 飛ばないボール”の件で、その評判をさらに下げることとなってしまいそうだ。
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