総合スポーツ用品メーカー大手の「ミズノ」が、同社がサポートするランニングコミュニティーによる“迷惑行為”をSNS上で謝罪したことが、大いに話題となっているようだ。
報道によれば、「ミッドナイトランナーズ」なるランニングコミュニティーは今月22日午後8時過ぎに、大阪・梅田にある「ひがし中通り商店街」を、80人ほどの集団で走り抜けたとのこと。ランナー集団はリズミカルな曲を大音量で流し、また「フォ~!!」といった奇声をあげながら商店街を疾走したとのことだが、商店街に対して事前に集団で走行する旨の許諾などは全く取っていなかったという。
商店街関係者が「商店街に人がいっぱいいてますし、危険です。ただの営業妨害です」と非難の声をあげたことから、同集団はインスタグラム上で「多大なるご迷惑をおかけしたことを深くお詫び致します」謝罪。さらに、同団体と契約を結びウェアなどを提供していたミズノも、「不快な思いをさせてしまったことを重く受け止めています。再発防止策について協議する」と同じく謝罪に追い込まれることとなった。
この度は弊社がサポートしている
グローバルランニングコミュニティ
「ミッドナイトランナーズ」が、2月22日に大阪で行ったランニングイベントの際、商店街を走る行為などにより、商店街や
そこにおられた皆さまにご迷惑や不快な
思いをさせてしまったことを重く受け止めております。…— MIZUNO JP(ミズノ株式会社) (@mizunojp) February 25, 2024
「ミッドナイトランナーズ」サイトに日本のコミュニティの紹介はなし
2007年に始まった東京マラソンが呼び水となったとされる第二次マラソンブームだが、コロナ前の調査では、ジョギング・ランニング人口は1,000万人を超えるという結果が出るなど、すっかりスポーツ文化のひとつとして定着した感も。
しかしながら昨年3月の東京マラソンにおいては、多くのランナーらが道路脇の植え込みに“立ちション”や“ゴミのポイ捨て”をしている動画が拡散したのをはじめ、さらに歩道等をジョギングする者らと歩行者などとのトラブルも各地で絶えないなど、ランナーらのモラルやマナー意識の低さも、かねてから指摘されているところである。
そんななか、今回大いに取沙汰される格好となった「ミッドナイトランナーズ」だが、もともとは英・ロンドンが発祥のランニングコミュニティだといい、今では欧米などを中心にした20か所近い都市において活動を展開しているとのこと。
ちなみに今回大阪の商店街を走っていたのは、都内で活動しているという「Midnight Runners Tokyo」と名乗るコミュニティだということだが、ただ「ミッドナイトランナーズ」本体のウェブサイトのトップページには、現時点で東京はおろか日本を拠点とするコミュニティはなぜか紹介されていないという、不思議な状況となっているようだ。
そんな「Midnight Runners Tokyo」の活動ぶりだが、過去に東京で一度参加したというランナー氏によるSNS投稿によれば「パリピのウェ~イな雰囲気」ということで、参加している分には楽しいのかもしれないが、傍目から見るとちょっと異様な雰囲気なのは否めないところ。ちなみに走行中の音楽“大音量”に関しては、「シンクロさせたハンディスピーカーを持って走るから」だそうである。
夜の商店街を“ランナー”爆走80人「ただの迷惑」https://t.co/ohUulw1rId
「ミッドナイトランナーズ」のことか…
東京で一度参加したことがある↓パリピのウェ〜イな雰囲気。その日はコースが主に公園内だったけど、公道も一部走った。
爆音は、シンクロさせたハンディスピーカーを持って走るから。 pic.twitter.com/kIafA6bV88— koz (@smart1241) February 27, 2024
ただこの時は、走っていたのは主に公園の中だったということで、まださほどは迷惑を掛けていなかったようだが、今回は公道からさらに道幅のあまりないアーケード商店街への走行だったということで、大音量の音楽とともに“ウェ~イ”なノリのランナーが80人からして走ってくるとなると、商店街にいた人々も迷惑を通り越して恐怖を感じるのも分かるところ。
その模様は、商店会が防犯用などの目的で設置していたであろうカメラに収められ、その映像がメディアを通して拡散する格好となったのだが、その迷惑ランナー集団らが着用していたウェアやシューズが、よりによってミッドナイトランナーズへの支援を2023年2月から始めていたミズノ社製だらけだったということで、ミズノも謝罪に追い込まれることに。
これに関しては、ミズノにとってはとんだとばっちりだと、同情する声も少なからずある反面で、かくのごとき迷惑ランナー集団をミズノが支援する意図が分からない……といった批判もあるなど、様々な反応があがっているところのようだ。
Mizunoとばっちりで草
— 1級来客整理士 (@4HsAoMuAt9h0) February 27, 2024
「危険です。営業妨害です」商店街を走る約80人のランナー…事前許可なしで主催者は謝罪 ウェアなど提供のミズノも「再発防止策を協議」(MBSニュース)#Yahooニュースhttps://t.co/ovfEebmRQE ウェアなど提供のメーカーはとばっちり(巻き添え?)を・・だと思うけどなぁ
— marimo_comomo (@marimo_koneko) February 28, 2024
これだけ迷惑を掛けて謝罪は笑いながら「そこは…すませんでした」(笑)
ミズノはこんな団体をサポートする意味があるのかな?#ミッドナイトランナーズ #ジョギング#東京マラソン#大阪マラソン#ミズノ#ラン#マラソン#ファンラン pic.twitter.com/VkslgjpSjw— which (@Weather80436168) February 29, 2024
維新との“蜜月”ぶりを揶揄する声も続出
いっぽう、今回の騒動に関連してミズノに対してあがっているのが「維新とつるむからこういうことになる……」といった批判だ。
維新とお友達となってからのミズノはハッキリ言ってクソ企業や。
「常識なさすぎ」「ただの自己満」 ランナー80人が大阪・梅田の商店街を”暴走” 「ミッドナイトランナーズ」とは? 後日SNSで「マラソンを盛り上げたかった」と謝罪(ABCニュース)#Yahooニュースhttps://t.co/IYDTPchqaS— 大坂町奉行所@大阪市在住(大阪府知事) (@skylake_iq4) February 28, 2024
(ミズノ広報)「京都マラソンなどがあり、大阪マラソンも控えており、この時期は関西がマラソンで盛り上がっていたので、ミッドナイトランナーズを開催しました」
→維新と仲良くなってクソ企業に堕ちたなhttps://t.co/VDwfoJJoe1
— 大坂渕次【おおさかふちじ】 (@monsieur_961) February 28, 2024
維新と関係持つような企業はまるで維新体質だ。
ミズノにはガッカリ。
不買します。— 安藤忠雄@維新がこの世から消えますように! (@ZYWR3qxF7TVNsQC) February 28, 2024
在阪企業であることでも知られ、2018年には大阪府と健康・スポーツなどの幅広い分野における包括連携協定を締結したミズノ。それを機に同府には、ミズノのロゴが入ったジャケットやポロシャツが寄贈されたといい、それらを着用した吉村府知事の姿が記者会見の場など、折に触れて見られるように。
そんな経緯もあって、いまやミズノは“アンチ維新”といった向きの間では“維新のお友達企業”というイメージがすっかり定着。そのようななかで今回の騒動が起こったということで、上記のような批判が湧きおこる展開になったようなのだ。
そんなミズノといえば、2月上旬の2024年3月期第3四半期決算では、今期経常を17%上方修正するとともに最高益予想を上乗せ、さらに配当も50円増額すると発表するなど、その業績の好調ぶりが伝えられていたところ。また、それに応じて株価のほうも二十数年ぶりとなる高値を先日更新したばかりである。
ただ同社の主要カテゴリー別の売上を見てみると、サッカー関連が前年比の増減率が62.0%と大きく伸ばし、また野球関連も同じく20.3%と好調だったのに対し、野球・ゴルフに次いで売上の多いランニング関連は、同増減率は2.4%に留まったよう。
そういったこともあって、世界的なランニングコミュニティーへの支援でさらなる露出を図り、売上アップに繋げたいところだったミズノ。しかしながら今回は、かねてから指摘が多かった“ランナーのモラルの低さ”というリスクの発動により、最近の好ムードに水を差す格好となってしまったようだ。
Next: 「承認欲求も80人集まれば放置して置けないレベル」