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ミズノ、支援するランナー団体の「商店街暴走」を謝罪。過去最高益予想に沸く同社の足を引っ張る迷惑ランナーの存在と「維新とお友達」というレッテル

総合スポーツ用品メーカー大手の「ミズノ」が、同社がサポートするランニングコミュニティーによる“迷惑行為”をSNS上で謝罪したことが、大いに話題となっているようだ。

報道によれば、「ミッドナイトランナーズ」なるランニングコミュニティーは今月22日午後8時過ぎに、大阪・梅田にある「ひがし中通り商店街」を、80人ほどの集団で走り抜けたとのこと。ランナー集団はリズミカルな曲を大音量で流し、また「フォ~!!」といった奇声をあげながら商店街を疾走したとのことだが、商店街に対して事前に集団で走行する旨の許諾などは全く取っていなかったという。

商店街関係者が「商店街に人がいっぱいいてますし、危険です。ただの営業妨害です」と非難の声をあげたことから、同集団はインスタグラム上で「多大なるご迷惑をおかけしたことを深くお詫び致します」謝罪。さらに、同団体と契約を結びウェアなどを提供していたミズノも、「不快な思いをさせてしまったことを重く受け止めています。再発防止策について協議する」と同じく謝罪に追い込まれることとなった。

「ミッドナイトランナーズ」サイトに日本のコミュニティの紹介はなし

2007年に始まった東京マラソンが呼び水となったとされる第二次マラソンブームだが、コロナ前の調査では、ジョギング・ランニング人口は1,000万人を超えるという結果が出るなど、すっかりスポーツ文化のひとつとして定着した感も。

しかしながら昨年3月の東京マラソンにおいては、多くのランナーらが道路脇の植え込みに“立ちション”や“ゴミのポイ捨て”をしている動画が拡散したのをはじめ、さらに歩道等をジョギングする者らと歩行者などとのトラブルも各地で絶えないなど、ランナーらのモラルやマナー意識の低さも、かねてから指摘されているところである。

そんななか、今回大いに取沙汰される格好となった「ミッドナイトランナーズ」だが、もともとは英・ロンドンが発祥のランニングコミュニティだといい、今では欧米などを中心にした20か所近い都市において活動を展開しているとのこと。

ちなみに今回大阪の商店街を走っていたのは、都内で活動しているという「Midnight Runners Tokyo」と名乗るコミュニティだということだが、ただ「ミッドナイトランナーズ」本体のウェブサイトのトップページには、現時点で東京はおろか日本を拠点とするコミュニティはなぜか紹介されていないという、不思議な状況となっているようだ。

そんな「Midnight Runners Tokyo」の活動ぶりだが、過去に東京で一度参加したというランナー氏によるSNS投稿によれば「パリピのウェ~イな雰囲気」ということで、参加している分には楽しいのかもしれないが、傍目から見るとちょっと異様な雰囲気なのは否めないところ。ちなみに走行中の音楽“大音量”に関しては、「シンクロさせたハンディスピーカーを持って走るから」だそうである。

ただこの時は、走っていたのは主に公園の中だったということで、まださほどは迷惑を掛けていなかったようだが、今回は公道からさらに道幅のあまりないアーケード商店街への走行だったということで、大音量の音楽とともに“ウェ~イ”なノリのランナーが80人からして走ってくるとなると、商店街にいた人々も迷惑を通り越して恐怖を感じるのも分かるところ。

その模様は、商店会が防犯用などの目的で設置していたであろうカメラに収められ、その映像がメディアを通して拡散する格好となったのだが、その迷惑ランナー集団らが着用していたウェアやシューズが、よりによってミッドナイトランナーズへの支援を2023年2月から始めていたミズノ社製だらけだったということで、ミズノも謝罪に追い込まれることに。

これに関しては、ミズノにとってはとんだとばっちりだと、同情する声も少なからずある反面で、かくのごとき迷惑ランナー集団をミズノが支援する意図が分からない……といった批判もあるなど、様々な反応があがっているところのようだ。

維新との“蜜月”ぶりを揶揄する声も続出

いっぽう、今回の騒動に関連してミズノに対してあがっているのが「維新とつるむからこういうことになる……」といった批判だ。

在阪企業であることでも知られ、2018年には大阪府と健康・スポーツなどの幅広い分野における包括連携協定を締結したミズノ。それを機に同府には、ミズノのロゴが入ったジャケットやポロシャツが寄贈されたといい、それらを着用した吉村府知事の姿が記者会見の場など、折に触れて見られるように。

そんな経緯もあって、いまやミズノは“アンチ維新”といった向きの間では“維新のお友達企業”というイメージがすっかり定着。そのようななかで今回の騒動が起こったということで、上記のような批判が湧きおこる展開になったようなのだ。

そんなミズノといえば、2月上旬の2024年3月期第3四半期決算では、今期経常を17%上方修正するとともに最高益予想を上乗せ、さらに配当も50円増額すると発表するなど、その業績の好調ぶりが伝えられていたところ。また、それに応じて株価のほうも二十数年ぶりとなる高値を先日更新したばかりである。

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ただ同社の主要カテゴリー別の売上を見てみると、サッカー関連が前年比の増減率が62.0%と大きく伸ばし、また野球関連も同じく20.3%と好調だったのに対し、野球・ゴルフに次いで売上の多いランニング関連は、同増減率は2.4%に留まったよう。

そういったこともあって、世界的なランニングコミュニティーへの支援でさらなる露出を図り、売上アップに繋げたいところだったミズノ。しかしながら今回は、かねてから指摘が多かった“ランナーのモラルの低さ”というリスクの発動により、最近の好ムードに水を差す格好となってしまったようだ。

Next: 「承認欲求も80人集まれば放置して置けないレベル」

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