中小型株が下がっているワケ
なぜ今中小型株は下がっているのでしょうか。
東証グロースにはやはり時価総額が比較的小さい企業が上場しています。
ファンドや機関投資家は、売買があまり多くないという理由だけで買えないという規定になっているところもあります。
ではグロースで主体となる投資家は誰かというと、個人投資家ということになります。
個人投資家は、相場の動きを見て入ったり出たりする動きが多いです。
コロナショックで一気に下がった後に、株式ブームが訪れました。
例えば事業を行っている人であれば、無利子・無担保で融資を受けられたりしました。
そこで株式ブームに火がついて、2020年から2021年にかけて中小型株が大きく上がりました。
借り入れたお金は返さなければならないので、上がった段階で売ることとなり、株式ブームの反動として売りが出てきます。
その時に上がった企業の中には、まだ利益が出ていなかったり、エムスリーのようにPER100倍という銘柄も多くありました。
そういう銘柄はファンダメンタルズ的に高すぎるので当然下がることになりますが、それに巻き込まれて下がった銘柄もあったりします。
個人投資家が、持っている株がどんどん下がっている時に、新しく他の中小型株に投資するという動きにはなかなかなりません。
むしろ反対にみんなが知っているような大型株に投資しようとします。
今の世の中の流れとしては、トヨタなどの有名大企業、そして割安企業に投資しようという流れとなっています。
銘柄探しのプロセス
多くの人の逆に目を向けるということを考えると、今注目すべきところは中小型株や成長株ということになります。
もちろん、まだ赤字の企業などは尚厳しいですし、下がったとはいえそれほど安くもない企業もあります。
しかし、“もらい事故”で下がっている企業も探せばあるので、そういう銘柄を探していきたいと思います。
正直に言うと、現時点ではまだそういう企業は見つかっていません。
このシリーズの中で絞り込んでいきたいと思います。
これから私が投資する銘柄を探していくので、皆さんはそれを参考にしていただけたらと思います。
着眼点としては、先述のもらい事故で下がった銘柄であったり、コロナショック後に上場した企業でまだ一度も注目されていないニュースターがいる可能性もあります。
また、「IPOセカンダリー」といって上場後に株価が下がりがちなところを狙って投資する手法もあります。
もちろん、相場全体が大きく下がった時にはこれらの銘柄も下がることになると思いますが、無理しない範囲で買っておくと、今後もしかしたら良いことがあるかもしれません。
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『
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
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』(2024年6月19日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。