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電動キックボードの人身事故、なんと25%が飲酒運転。“免許不要”も災いして案の定「飲んだら乗るな」すら通じない低モラルユーザーが大増殖

東京都内で今年1~5月の間に発生した、電動キックボード利用による人身事故のうち、25%が飲酒運転によるものだったことが分かった。

報道によれば、電動キックボードを利用した人が最も過失の重い「第1当事者」となった人身事故は56件で、そのうち25%に当たる14件が飲酒運転だったとのこと。ちなみに乗用車やバイクなどの事故における飲酒運転の割合は1%程度で、25%という数字は突出して高いのだという。

警視庁はさらなる取り締まりを進めるとともに、Xを通じた呼びかけや、電動ボードに関する若者向けの交通安全イベント開催などを進めるなどの広報啓発を強化するとしている。

飲酒検問でも電動キックボード利用者が続々摘発

昨年7月の改正道交法施行により、長さ190cm以下、幅60cm以下で、時速20キロを超える速度を出すことができない、などの要件を満たす電動キックボードは「特定小型原動機付き自転車(特定小型)」と定義され、16歳以上であれば「運転免許不要」「ヘルメット任意」で運転できるように。

その当時から、車輪の極端な小ささなどから転倒の危険性が叫ばれ、また先行して普及していた海外では逆に廃止となる流れが続出するなかで、なぜか謎の規制緩和で日本国内でも増えていった電動キックボードなのだが、案の定、改正道交法の施行以降の10か月間でそれ絡みの事故が全国で164件発生するなど急増しているようである。

そんな状況下で判明した、今回の電動キックボード事故における突出した飲酒運転の多さだが、これは電動キックボードという乗り物の危険性うんぬん以前に、電動キックボードに乗る者たちの交通ルールの知識のなさ、あるいはモラルの低さといったところが浮き彫りとなったといった格好に。

SNS上の反応を見ても、「飲み会などの後の帰宅に利用しているのでは」「夜間の大通りであれに乗れる猛者は酒飲んでるとしか思えないし」といった推測があがっているように、夜遅くまで飲んで終電が無くなってしまい、タクシー代ももったいないし“飲酒”電動キックボード運転で帰宅、といったパターンがほんとんどなのでは……と訝しむ声が多数。

実際はどうなのかというと、先日警視庁が深夜の都内で飲酒運転の一斉検問を実施したところ、12人を酒気帯び運転で摘発したのだが、このうちの5人が電動キックボードの利用者だった……ということで、SNS上の見立てもあながち間違ってはいないといった状況だ。

酒気帯びの状態では、クルマや原付はもちろんのこと、軽車両に扱われる自転車もそれこそ乗ってはならないというのは、何らかの運転免許を取ろうとする際に手にする学科試験の教本を開けば書いてあることで、また学科教習でも必ずと言っていいほど触れられる内容。

そんな免許を持っている人なら常識中の常識といったことも、上記のような電動キックボードで飲酒運転をする者にとっては、もしかすると常識ではないのではと疑わざる得ない状況ということで、いうなれば「運転免許不要」で乗れるようにしたという規制緩和が、やはり大きな仇となっているといえそうなのだ。

LUUPも低モラルユーザーに冷淡姿勢

そんななか、電動キックボードのシェアリングサービスを手掛け、昨年の改正道交法施行以降、飛躍的な成長を遂げた「LUUP」だが、こういった利用者の常識のなさやモラルの低さに、正直手を焼いているといった印象も。

電動キックボードの存在に否定的な層からは白眼視されることも多いLUUPなのだが、ユーザーに対しては利用前に交通ルールテストを実施。

それらの全問連続正解・満点合格を、利用のうえで義務付けるとしているようなのだが、実際のところはそれらをご丁寧に潜り抜けたうえで、飲酒運転をはじめとした交通ルールに違反する運転をしているということで、ある意味でLUUPとしても全く手に負えないといった状況のようなのだ。

そのためここに来てLUUPでは、悪質な交通違反を繰り返す利用者に対しては、ユーザーアカウントを凍結して一定期間乗れなくするなどといった、違反ユーザーへの厳罰化を推進する取り組みを始めるようだが、そのいっぽうで今春ちょっとした話題になったのが、同社が渋谷の街に掲出したという「ルールやマナーを守れない方は、LUUPにも乗らないでください。」というメッセージ。

LUUP側としても、電動キックボードひいては自社の社会的評価を下げるばかりの迷惑ユーザーには、界隈からお引き取り願いたいというのは、偽らざる本音といったところだろうが、そもそもそれを素直に聞くような手合いなら、飲酒運転など犯さないのは言うまでもない話だろう。

Next: 「こんなもの認めるから当たり前のように事故多発」

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