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人気株「マクドナルド」投資すべき?長期投資のプロがリスク・株主優待について徹底解説=佐々木悠

リスクは?優待は?投資するべき?

日本マクドナルドの復活劇と、その根幹をみてきましたが、投資リスクはないのでしょうか?

やはり品質問題のリスクがあることは注意すべきです。2014~2015年の品質問題は、厳密に言えば鶏肉を供給していた中国系の企業が消費期限切れの鶏肉を使っていたことが原因です。このようなサプライヤーによる品質管理の不備は、日本マクドナルドがコントロールするにはやや限界があります。万が一、同様の事件が起きた場合には、業績が悪化する可能性があります。

 

一方で、コロナ禍で他の外食産業が窮地に立たされた中、ファーストフード業界は業績を伸ばし続けました。それは従来からテイクアウトが習慣化されていたため、フードデリバリーなどにも早くから対応していたことなどが関係しているでしょう。

現在は、原材料高の悪影響がありながらも、業績は好調です。2015年の第4四半期から2024年の第1四半期まで34期連続で既存店の売上がプラスとなっています。したがって、景気悪化などの景気変動の影響を受けづらい側面があると言えるでしょう。

日本マクドナルドに投資を検討される方の中には、株主優待に期待する人もいると思います。

100株購入するとバーガー・サイドメニュー・ドリンクと交換できる無料券が18枚手に入ります。バーガー・サイドメニュー・ドリンクの合計注文が1,000円だった場合、優待利回りはおおよそ1%です。(チケット3枚:1,000円×6=6,000円分の無料チケット、24年7月現在の優待の最適取得額は約610,000円)

ただし、1年以上の継続保有が条件です。ここは注意してください。

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出典:日本マクドナルドHD 株主優待

個人的には優待利回りは高くはないため、優待はおまけ程度に考えるべきだと思います。

では、中長期的な観点で日本マクドナルドに投資できるか?というと、悪くはないと考えます。それは競合他社を上回る利益率や、コロナ禍でも業績を落とさなかった実績、「値上げを行ったとしても、まだマックが安い」というコストリーダーシップの実現性などが評価できると思います。

品質問題以降(16年から24年)の平均PERは約36倍であるのに対し、24年7月現在のPERは約30倍です。株価はやや割安感があると言えます。これらの情報をもとに投資判断をしてみてください。


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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2024年7月26日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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