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日経平均、歴史的暴落…まだ慌てる時間じゃない?いま長期投資家が取るべき行動とは=栫井駿介

日経平均株価は歴史的な下げ幅を記録しています(原稿執筆時点:2024年8月2日午後)。この下落を受けて焦っている方もいるかもしれませんが、まだまだあわてるような時間じゃありません。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』栫井駿介)

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プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

暴落の理由

まず、日経平均が下がっている理由を説明します。

7月31日に日銀の植田総裁が金融政策を発表し、その中で金利を0.25%引き上げると発言しました。
日本において金利の引き上げは長らく行われていなかったことです。

なぜ金利を引き上げるのでしょうか。

物価上昇への対応

一般論として、物価の上昇が行き過ぎると世の中が混乱してしまいます。
インフレの時には金利を引き上げて世の中に出回っているお金を減らして物価の上昇を抑えるという鉄則があります。
今日本の物価は上がっているので、金利を引き上げることは教科書的には自然の流れです。

ただ、日本の金利を引き上げたところで、物価に与える影響はどれほどのものなのか疑問があります。

グローバルでお金はまわっているので、世界の経済や物価に大きな影響を及ぼすのは「ドル」になるかと思われます。
特にアメリカのFRBがインフレの高まりに従って金利を引き上げてきたことは、日本を含む世界経済に対して意味のあることだったと思いますが、日本の政策金利を引き上げても物価に与える影響は軽微なところがあります。

円安の是正

今の日本のインフレは、金融政策の問題よりも円安によるものが大きいです。

この円安の要因を作っているのが低金利です。

日本の金利が低くてアメリカの金利が高いとなると、金利の高いところにお金を置いておいた方が金利収入を得られるので、世の中的には円を売って(借りて)ドルで運用するという動きになります。
円を売ってドルを買うので、円安ドル高となります。

アメリカのFRBもコロナの時には経済が悪くなるということで金利をほぼゼロのところまで大きく引き下げました。
しかし、その後アメリカではインフレになったので金利をどんどん引き上げ、4~5%のところまできました。それに対して日本の金利はマイナスと0の間くらいだったので、金利差が大きくなり、円安ドル高が進んでいったというのが今の状況です。

この円安を是正することが今回の利上げの理由としてあると思います。

 

本来、日銀は為替レートを操作する立場にはありません。
ただ、金利差が影響して円安になっているのであれば無視できないということで、(表には出ないですが)政府からも要請があったのではないかと思います。

今回に限らず今後の更なる利上げも示唆しています。

Next: 植田総裁の判断は正しいのか?日銀の政策の是非

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