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「カナダのコストコでは大量に売ってる」連日の米不足報道に対しSNS上で広がる疑心暗鬼。一部ではコオロギ食誘導への布石との憶測も浮上中

この数か月の間、ことあるごとに伝えられている「米不足」の問題だが、ここに来てその深刻度が増していると、各地のメディアによって報じられている。

米どころとして知られる新潟県内の米穀店では、例年なら倉庫いっぱいにおよそ240トンあるはずの米が、今年はもうおよそ10トン、1週間くらいで無くなるほどの量まで目減り。この緊急事態を切り抜けるため、同店ではベトナム産の米の取り扱いを始めることに踏み切ったとのこと。

いっぽうで、米不足の状況が招いている価格の値上がりも顕著になっているようで、鹿児島市内にある食料品店の米売り場では、6月後半から値上がりが続いており、今では県内産の5キロの米は軒並み2000円以上と、去年に比べ500円から900円ほど高くなっているということだ。

米の輸出はここ4年で倍増

普段なら、様々な産地の様々な銘柄が並ぶスーパーなどの米売り場も、最近では品ぞろえがが少なくなってしまい、棚がスカスカ……といった状態となるなど、明らかに異常事態といった状況が続いている昨今。

現在の米不足を招いているのは、昨年の異様な暑さによるところが大きく、要は朝晩と日中の寒暖差が十分ではなかったため、収穫量は変わらないものの、成長が悪かったり、変色したりなどで、規格外となるものが特に多かったことが、今の米不足に繋がっているというのだ。

いっぽうで供給量の減少だけでなく、米への需要もここに来て俄かに高まっているようで、農林水産省によれば今年6月までの1年間の主食用のコメの需要は702万トンと、前の年より11万トン増え、10年ぶりに増加に転じたとのこと。パンや麺など、ほかの食料品に比べると値上がりが緩やかだったことにくわえ、インバウンドの好調ぶりも需要の伸びに繋がったようである。

こういった状況により、民間での主食用のコメの在庫は6月末の時点で156万トンと、前の年の同じ時期より41万トン、率にして20%減るなど、記録を取り始めた1999年以降では、最も少なくなっている状況だというのだ。

いっぽうで、日本国内におけるいまの米不足との関連性が一部で取沙汰されているのが、ここ近年の米の輸出の伸び。

先述の通り近々では需要が伸びているものの、それ以前は長らく国内での消費の落ち込みが叫ばれ続けていた米。そのため近年では、国外への輸出の取り組みが積極的に行われているということなのだが、その甲斐あってかここ数年は輸出量が激増

2023年の輸出額は94億円(対前年比+27%増)、輸出数量は37,186トン(対前年比+29%)となり、金額・数量ともに直近4年間で倍増しているというのだ。

実際、海外では「カナダのコストコで大量に売ってる」などと、日本の米が潤沢に流通しているという話もSNS上では流布しており、しかも円安の影響で、アメリカ産米などよりも安く売られているとのこと。

日本国内では米不足で、それこそベトナム産などの外国産米を代替に……といった話が取沙汰されるなかで、海外では日本の米が安価で売られている状況に、複雑な心境を抱く向きもかなり多いようなのだ。

「本当に米不足?」広がる疑いの視線

このようにメディアでは「令和の米騒動」などとも報じられることもあるなど、連日取り上げられる昨今の米不足。

しかし、その反面で海外への輸出は激増しているなどという、ある意味でチグハグな状況となっていることもあって、SNS上では「本当に米不足なのか?」といった、一連の報道への“疑心暗鬼”も一部では広がっているところ。

要は外国産米の輸入をより促したいために、恣意的に国産米を不足状態に、あるいは不足しているようにみせかけているのでは、といった見方なのだが、さらには後々、米以外の他の作物も含めた“食糧難”といった状態を演出させたうえで、あの国民から総スカンな“コオロギ食”の本格普及に繋げていきたいといった思惑があるのでは……といった、ある種の邪推までも広がっているようなのだ。

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話の内容の信憑性についてはともかくとして、日本人の心のよりどころと言っても過言ではない米が、ここに来て思うように手に入らない状況への苛立ちが、そういった疑心暗鬼の広がりに繋がっている……といったことは大いに大いに考えられるところ。

もっともそんな米不足の状況も、今年の新米が出回る9月に入れば正常化するといった見通しが多く出ているわけだが、昨年の米が猛暑により成長が悪かったということでいえば、今年も昨年と同様に猛暑続きということで、その点果たしてどうなるのか、心配は尽きないといったところのようだ。

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