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石破総理誕生で市場大混乱…「イシバノミクス」で生活はどう変わる?日米・日中関係に明るい兆しも=斎藤満

日中関係も踏みとどまる

石破氏はアジア版NATOの創設を訴えています。

欧米に傾斜し、NATOにも接近・協力してきたこれまでの日本とは異なり、アジアでの日本の立場を強め、アジアの団結を促し、日本が率先してアジア太平洋の安全保障の新しい枠組みを作ろうとしています。

アジアだけの団結や日中接近には米国も警戒しますが、米国も巻き込んでアジア版NATOを作れば、新しい軍事同盟ができます。

そこに中国も取り込みます。日中関係は国境問題で緊張が高まっていて、しかも日本人学校に通う日本人男児が殺害される事件が起きて中国との関係がより緊張を強めています。

高市氏であればよりタカ派的に対中国強硬論を取り、関係の悪化が懸念されますが、石破総理のもとで対中関係融和の可能性が開けます。

中国も経済危機にあり、日本の協力が不可欠です。

イシバノミクスの方向は

一般に石破氏は防衛の専門家で経済に疎いとみられていますが、アベノミクスには反発し、安倍元総理とは距離を取りました。具体的には日銀の異次元緩和には反対で、放漫財政にも反対しています。

このため、市場関係者からは逆風と見られています。ほかの候補者が言っていたすぐにでも補正予算、との考えはなく、むしろ緊縮型財政運営に傾いている節は見られます。

しかし、「いま困っているところから優先的に対応する」との言葉から、経済の基本「経世済民」の姿勢がうかがえ、これまでの財界・市場優先政策からの転換が期待されます。

少なくとも国民生活の視点からは、これまでよりも光が当たる期待が持てます。

そして真っ先に能登半島対策を上げ、補正予算を待っている暇はないので、予備費を使ってすぐにでも支援を行うと言っています。これまでの岸田・馳知事コンビによる災害無策からは一歩前進が期待できます。また地方再生は、中央が音頭を取るのではなく、地方が率先して動いて初めて進む、との認識は的を得ています。

選挙制度についても、かつて「金のかからない選挙」のために良いと考えた小選挙区制は、むしろ多くの問題があるとの認識から、選挙制度の改革にも前向きで、地元鳥取合区の見直しも含め、中選挙区制に戻す可能性もあります。

その中でやや気になるのは、選挙後最初の会見で「デフレ・スパイラルからの完全脱却」という言葉を使っていたことです。

Next: デフレ認識に誤り?石破新総裁で日本は変わるのか

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