2014年にNVIDIA株を購入し、同社が今年時価総額3兆ドルを超えて米マイクロソフトやアップルを抜いて世界首位に躍り出ることを予見していた中島聡氏。その先見の明は投資家の間でも評判で、米国株を買うなら「中島聡のメルマガを見ろ」とまで言われ、彼の名が急速に広まっています。決して投資専門のメルマガではないものの、彼が注目する企業や最新技術の情報が満載で、投資家界隈からも高い関心を集めています。では実際にこのメルマガではどのようなことが語られているのでしょうか。今回はメルマガで人気の「質問コーナー」から、読者とのやり取りを通して見えてきた中島氏の投資手法や注目企業、最新技術への意見など、その内容の一部をご紹介します。
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株の具体的な購入法について
【質問】
株の具体的な購入方法について。 中島さんは、テスラ、アップルなどの個別株を多く持たれており、ドルコスト平均法で購入していると認識しています。
それは具体的には、
毎月など、定期的に
個別株ごとに一定額を
機械的に
購入されているのでしょうか?
《回答》
ケース・バイ・ケースですが、一般的には「6ヶ月ぐらいに渡って、一月に一回、一定額を機械的に(=安い時を狙って買おうとはせずに)購入」という感じです。
三菱重工業の株について
【質問】
三菱重工業の株についてお伺いします。 現在、買値から3倍に値上がりしていて、そろそろ売却すべきか持ち続けるべきか迷ってます。
AIの登場で電力消費が増え、原子力発電が見直されてきてますので、その点でかなり有望な銘柄だと思いますし、また、ガスタービンは世界シェアNo1で売れ行きは好調です。電力需要の増加の観点から、非常に魅力的な銘柄には見えます。
しかし、現在のPERは約28倍で、三菱重工業のようなコングロマリット企業にしては割高にも感じます。
もし、中島さんが三菱重工業の株を保有していた場合、持ち続けますか?売却されますか?
【別の方からの質問】
私はミサイルや戦闘機,艦船などの防衛関連の備品を研究・製造している会社は
他社が参入しにくく,限られた会社にのみノウハウが溜まっていく
防衛省の立場からも発注先をコロコロ変えにくい
という理由から順当に伸びていくだろうと考え,三菱重工業の株を積極的に買っています.中島様は「防衛関連の銘柄」を購入することはございますでしょうか?
《回答》
将来の株価がどうなるかは誰にも分かりませんが、三菱重工業が良い立ち位置にいる会社だとは私も思います。原発に限らず、電力需要が増えることは明確なので、ガスタービンも含めて、電源インフラ・ビジネスには期待できます。日本政府が防衛予算を増やしていることも、三菱重工にとっては追い風だと思います。
嫌な話ですが、自民党がODAの名目で海外に配っているお金の多くが、三菱重工のような「国策企業」に還流するように出来ている点も、大きなプラスです。
一時期、Lockheed Martinの株を持っていましたが、「戦争になると上がる株」というのは持っていて心地良いものではないので、全部売却してしまいました。
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自動運転ベンチャー企業について
【質問】
プログラミングが非常に楽しく、エラーも丁寧に読み解くことで理解が深まります。また、GPTを活用することで問題解決がスムーズに進み、GitHubにプッシュする瞬間の喜びは格別です。
ただ、営業力が不足しているため、現時点では大規模な課題を解決するシステムを作ることは難しいと感じています。そこで、まずは小さな課題を解決できるプロジェクトに取り組もうと考えています。また,ラズパイにも興味があり、中島様ならラズパイを使ってどのようなプロジェクトを考えますか?
《回答》
ラズパイはワクワクしますね。私であれば、何か自分の生活に役に立つものを作るだろうと思います。私の知り合いで、家の鍵とセキュリティカメラを、ラズパイを活用してスマホから操作できるようにした強者がいます。
小型の自動運転車を作って遊ぶのも楽しいと思います。日本にTierIV(ティアフォー)という自動運転ベンチャーがあり、そこが自動運転ソフトをオープンソース化しています。それがそのままラズパイで動くとは思いませんが、パソコンと連動させれば動いてしまう可能性は十分にあると思います。
投資スタイルについて
【質問】
現状、市場全体の平均株価収益率が高い水準にあり、株価が過剰に評価されている影響で、ドットコムバブル時代のような調整が起こる可能性があるという意見があります。もちろん、これはあくまで可能性の話ですが、こうした市場の動きに関して、中島様のご意見をお聞かせいただければ幸いです。
《回答》
確かに、今の株価は加熱気味であり、大きな調整が起こる可能性は否定できませんが、そのタイミングや規模を予測することはとても難しく、私自身は、「調整に備えて売ること」はしていないし、もし調整らしきものが始まった時にも「慌てて売ることはしない」ことを決めています。
あえてやっていることと言えば、(火傷しやすい)「赤字を垂れ流しながら急成長している企業」を避け、主に「しっかりとしたビジネスで、利益や潤沢なキャッシュフローを生み出している企業(Tesla, Apple, Microsoft, Nvidia, Amazonなど)」に投資していることぐらいでしょうか。
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中島聡氏のメルマガは、読者が直接質問できる「質問コーナー」が人気で、まるで彼の頭の中をのぞくような感覚を味わえます。質問コーナー以外にも、中島氏の近況報告や最新AI技術の専門的な解説、彼が注目した記事への考察など、多彩な内容が満載。月額880円で2万文字以上の濃密な情報が読めるうえ、初月は無料。月の途中からの購読でも全ての号が届くので、まずは気軽に試してみてはいかがでしょうか。
以下では中島聡氏のことをよく知らない方のために、彼がどのような人物なのかを改めて簡単に紹介します。
米マイクロソフトでWindows 95、Internet Explorerなどを開発
中島聡さんは、日本で初めて米国マイクロソフトに転籍した天才エンジニアとして知られ、「Windows 95の父」とも称されています。1985年に早稲田大学大学院を卒業しNTTに入社するもすぐにマイクロソフト日本法人に転職。その後1989年に米マイクロソフトに移り、Windows 95やInternet Explorerの開発に携わり、「ドラッグ&ドロップ」や「右クリック」機能の実装を手掛けています。中島さんは、その後もマイクロソフトで重要な役割を果たし、技術の進化に大きな影響を与えています。
新NISA民にも人気、伸びそうなベンチャー企業を見極める先見の明
今後成長しそうなベンチャー企業の分析にも定評があり、ここ最近は「米国株を買うなら中島聡のポートフォリオを真似すればいい」「投資家たちはまず中島聡のメルマガを読め」とまで言われ、米国株戦略を参考したい投資家や、今年になって投資をはじめた新NISA民からの登録が激増しています。
中島聡 伝説1:2014年にNVIDIA株購入
今年時価総額が3兆円ドルを超え、米マイクロソフトや米アップルを抜いて世界首位に躍り出たNVIDIA株を2014年時点で購入している(分割前、1ドル以下)。その後NVIDIAの株価は200倍に。彼の注目する株の銘柄には、先見の明があり、同じ個別株を保有するだけで稼げるとまで言われるほど。
Nvidiaの株は2014年からガチホしていますが、2020年の時点でポートフォリオの中で7位、最近になって3位の地位に上昇しました。買い増したからではなく、単に株価が上昇したから順位が上がっただけです。 #メルマガのネタ
— Satoshi Nakajima @GraphAI (@snakajima) June 18, 2024
中島聡 伝説2:2016年にテスラ株購入
彼は2016年にテスラのモデルXを購入した際、その金額と同額のテスラ株を購入し、現在も保有しています。テスラはその後、2020年には株価20倍、時価総額でトヨタを超えたと話題になりました。
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中島聡 伝説3:2019年にZOOM株購入
コロナ禍で脚光を浴びることになった「Zoom」を提供するZoomビデオコミュニケーションズの将来性を早い段階から見抜き、いち早く投資。
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※この分析に用いているチャートプラットフォームはTradingViewの提供です。