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トランプ政権で株価暴落?バフェットが株を売り現金を蓄える理由。長期投資家は真似するべきか?=栫井駿介

良い企業を買って持ち続けるだけ

私は株式市場は予想しない(できない)というスタンスですが、足元の温度感はやはり高めだと思っています。
こういう時は警戒が必要で、株価が上がれば上がるほど多くの投資家が利益確定したいと思うようになります。
よって、何かリスクが表面に出てくると人々は一気に株を売ることになるので、いわゆる暴落的なことが起きてもおかしくないと思っています。
何かしらの経済指標がネガティブに動いたり、何かイベントが起こったりするとそれをきっかけに株価が急落することも考えられます。

 

かといって、今持っている株を売るべきかというとそれもまた違う話かと思います。

いつか大暴落が来るかもしれないというリスクはどんな時も株式市場は抱えています。
その時に株を売ってしまうと、逆に上昇した時の果実を得ることができなくなります。
一度売ってしまうと、確かに暴落は回避することはできますが、今度はまだ下がるのではないかと思ってしまい、また買うことをためらっているうちにその後の大きな上昇を逃してしまいます。

途中で売買を繰り返すと、ただ持っていただけよりもリターンが少なくなることが統計にも表れています。

もちろん、売買を繰り返して稼ぐデイトレーダーのような人もいますが、成功することは難しいですし手間もかかります。

そう考えると、今持っている株を慌てて売る必要はないと私は思います。

 

バフェットの場合はとにかくAppleのポートフォリオに占める割合が大きくなりすぎたから売ったに過ぎません。

私が言いたいことは、例えば全売却のような極端な動きを取る必要はないということです。
良い企業であれば一度は下がってもその後上がることが想定されるので、持ち続けることをおすすめします。

2025年、もしかしたら大きな下落があるかもしれないと述べましたが、その時には恐れずに株を買うべきです。
大きく下がった時に買っていれば、株価が戻った時には資産が大きく増えることになります。

私はコロナショックの時に、ベタな銘柄ですがMicrosoftを買いました。
これまでいろいろな銘柄に投資をしてきましたが、みんなが知らないような銘柄で利益をあげることも可能ですが、有名な企業で業績がずっと良い企業の方が長い期間にわたって株価は上がっていきます。

 

PERを見て、できるだけ低いPERのものを買おうとしがちですが、良い企業は多くの投資家が認識しているのでPERは高くなります。
しかし、本当に良い企業だったらPERの水準かそれ以上に業績を伸ばしていきます。
PERが高い企業はそれだけ評価が高いということで、はたから見ても良い企業です。

本当に良い株であれば、時間が経つほど伸びていくので、そういう感覚で取り組むことができれば心穏やかに投資を続けられるのではないかと思います。

 

トランプ大統領になり、どのような政策を打ち出してくるかは分かりませんが、基本的に長期投資はそういうものに流されずに良い企業を買えば良いということになります。

あえて言うなれば、足元で短期的に警戒するべきは半導体かと思います。
やはり対中国で圧力をかけて、中国に半導体を輸出させないようにする可能性はあります。
日本の半導体製造装置メーカーは中国に売って利益を出していることも多く、例えば東京エレクトロンは昨年で売上の40%以上が対中国です。
そこが無くなってしまうと一時的には業績が悪化する可能性がありますし、それを受けて株価も落ちる可能性があります。
一方で長期的に見ると、半導体は今後必要性が増してくる事業なので、そういう時が買い時になるとも捉えられます。

もちろん下落が起こらない可能性もあるので、もし今半導体関連銘柄を持っているならそのまま持っておけば良いと思います。

 

大事なことは最終的にその事業が生き残って伸びていくことです。


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image by:Rob Crandall / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2024年11月12日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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