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ファーストキッチン消滅!? 日本「ハンバーガー戦争」の勝者は誰だ=安部徹也

ウェンディーズ・ジャパンがファーストキッチン買収を決定した戦略的背景

一方でウェンディーズ・ジャパンは、なぜファーストキッチンの買収に踏み切ったのでしょうか?その背景には日本のハンバーガー業界を取り巻く大きな環境の変化が挙げられます。

日本のハンバーガー市場は7,000億円程度と推測されていますが、そのマーケットで圧倒的な存在感を示すのがマクドナルド。マクドナルドは、かつて7割以上のシェアを占め、圧倒的なリーダーとして君臨していました。

ところが、そのマクドナルドが立て続けに起こった不祥事により、顧客の信頼を失い、深刻な業績不振に陥ります。数字的に示せば、ここ5年間で店舗数が3,298店から2,956店と342店減少し、売上は5,351億円から3,766億円と1,585億円も減少したのです。

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このように、ハンバーガー業界の「巨象」マクドナルドの体力が著しく弱ったのをチャンスとばかりに、ここ最近ではアメリカ資本のハンバーガーチェーンが日本のマーケットで攻勢を強めてきています。

その筆頭がアメリカのハンバーガーマーケットで第2位の規模を誇るバーガーキング。バーガーキングは、マクドナルドが退店した店舗に出店するなど店舗網を拡大。商品構成もマクドナルドを意識したプロダクト戦略でマクドナルドから顧客奪取を狙っています。

また、アメリカで人気のハンバーガーチェーン、カールス・ジュニアも日本に再進出を果たしました。2016年3月に秋葉原に1号店をオープンさせた際には、アメリカ本社の海外部門の社長が「日本はアジア最大のハンバーガー市場であり今後10年で150店に増やしたい。1,000店の出店も可能だ」と強気の発言をするなど、今後も積極的に事業拡大を図っていく予定です。

そして、現在大きな注目を浴びているのが、今やアメリカでも飛ぶ鳥を落とす勢いのシェイクシャック。2015年11月に1号店を表参道にオープンさせると、半年以上経った今でも連日長い行列ができるほどの人気振り。この勢いをさらに拡大すべく、初進出から半年経たずして2号店を恵比寿にオープンさせています。

Next: ウェンディーズがマクドナルドに取って代わる日

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