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日本市場を襲う「株の冬」とヘッジファンドの誤算~3月FOMCを終えて=E氏

これから「株の冬」がやってくる

では、今後の見方がどうかですが、ドル円を始めとする為替市場は年初からのトレンドである、ドル売り円など他通貨買いの流れに戻るでしょうし、過度な金利上昇観測も消えるので、債券へのマネーシフトも見られるでしょう。

米国の利上げは、米国や日本などの先進国以上に、新興国に悪影響を及ぼすので、周辺アセットから世界がリスクオフに転じる可能性が高まって行きます。

そうなると、安全資産である日本円は買われやすくなるので、米国の利上げがオーバーペースでないと判明した以上、円を依然としてショートポジションで持ち続けるのは合理的なポジションとは思えませんから、少なくともショートがニュートラルになるまで、投機筋による買い戻し圧力で円高ドル安になり易いでしょう。

一方の米国株は、議会演説以降、トランプ大統領が市場に過度な期待感を醸成させ続ける機会が事実上終ったことで、今後は現実を見る地合になっていく可能性が高い上に、過度な債券売りが止むということは債券買い/株売りにつながるため、今後は上値が重いでしょう。

加えて、利上げで新興国やコモディティなどの周辺アセットが過度なリスクオフになった場合は、米国株も当然引きずられるので、昨年11月以降延々と続いていた、「いまだかつてないタイプの大統領が何をしでかすか判らない」という極端な見方で形成されていた過剰な期待相場は終焉し、徐々に金融引き締め時の株価形成に入っていくと思われます。

日本株の買い材料は尽きた

このように考えると、円安時は円相場の動きに反応して好感して、しかし円高時は米国株高など他にポジティブな材料を見つけるなど「売らない理由を探していた」日本株の買い材料はほぼ尽きたと思われます。

トランプ大統領による過剰な期待感醸成はなくなり、米国の利上げがあったので、マーケットセンチメントは徐々に冷えていく中で、周辺アセットからのリスクオフの足音も聞こえてきます。

そうした中で、投機筋の円ショート解消という需給的要因で円高になり易いことから、日本株をサポートする外的要因はほとんどありません

日経平均2万円が近いからというだけで、2万円を目標に頑張ってきたマーケットでしょうが、買い材料がない中でこれ以上買い上がれると考えるのは、かなり楽観的だと思われます。

それよりは、トランプショック以降、円相場の下落以上にオーバーシュートして上げ続けた反動がいつ出てもおかしくないので、今後の日本株は米国株以上にリスクオフ的な動きになり易いと思われます。

冬が終わり、日増しに暖かくなってきていますが、こと株式市場に関しては、トランプ大統領との蜜月期間は終り、FRB主導による「株の冬」がこれからやってくるのです。

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2017年3月19日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

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日本株のファンドマネージャーを20年以上、うち8年はヘッジファンドマネージャーをしてきたE氏による「安定して稼ぐコツ」「相場の見方」「銘柄情報」を伝授していきます。

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