シャープ<6753>の株価が急伸しています。私は2016年11月12日付の会員レポートで、シャープを推奨銘柄として取り上げました。ここまでの上昇は想定していませんでしたが、今シャープで起きていることはおおむねレポートの内容に沿ったものです。今回は、当時のレポートを公開します。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)
プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。
戴社長が進める大改革。今シャープで何が起きているのか?
シャープ急伸。時価総額8年ぶりの2兆円回復
シャープ<6753>の株価が急伸しています。鴻海による買収以降、株価は100円台に低迷していましたが、昨日(2017年3月14日)400円を突破し、時価総額は8年ぶりに2兆円を回復しました。

シャープ<6753> 日足(SBI証券提供)
株価が上昇している要因は、コスト削減を主因とする業績の急回復です。
鴻海に買収されたことで、それまでの経営者では手がつけられなかった構造改革を断行しました。その結果、第3四半期の純利益は黒字化し、2月17日には今期の業績予想を上方修正しています。
私は2016年11月12日付の会員レポートで、シャープを推奨銘柄として取り上げました。ここまでの上昇は想定していませんでしたが、今シャープで起きていることはおおむねレポートの内容に沿ったものです。
以下、当時のレポートを公開します。
シャープ<6753> ※2016年11月12日付の会員レポートより
総合評価:★☆☆ 目標株価:200円以上
(割安度:★☆☆ 成長性:★★★ 安定性:★☆☆)
【株式指標(2016年11月11日)】
株価:171円
時価総額:8,521億円
【投資のポイント】
- シャープ<6753>は鴻海の下で経営再建中。新社長の戴氏は、有機ELの巨額投資に対して慎重姿勢を取っていて、好感が持てる
- 鴻海による買収以降、目を見張る商品がいくつか登場している。そこからヒットが生まれれば、鴻海の圧倒的な生産力で世界を席巻する可能性がある
- 時価総額8,000億円超は決して割安とは言い難いものの、うまくいったときは大きく化ける銘柄。まずは目の前の経営改善の成否に注目すべし
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