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パナソニック黒字でも1万人削減の真相〜ソニー・日立に遅れた成長戦略。30年の停滞を打破できるか?=元村浩之

見えない将来像と今後の注目点

パナソニックの今回の1万人人員削減は、赤字ではないものの、長年にわたる業績の伸び悩みと、ソニーや日立といった競合との成長スピードの差に対する強い危機感が背景にあります。収益性の低い家電事業の再編や、事業ポートフォリオの見直しを進めることは避けられない状況と言えるでしょう。

パナソニック ホールディングス<6752> 週足(SBI証券提供)

パナソニック ホールディングス<6752> 週足(SBI証券提供)

しかし、今後のパナソニックが「何の会社になっていくのか」という明確な将来像や成長戦略が、現時点ではまだはっきり見えてこないという課題があります。ソニーや日立のように、収益性の高い分野に特化するのか、あるいはパナソニックの強みである「現場主義」や「信頼性」を活かした新しい形でのサービス提供を目指すのか、その方向性が定まっていない印象を受けます。

黒字リストラという困難な判断を下したパナソニックが、この構造改革を通じてどのように変わり、どのような未来を描いていくのか、今後も注目していく必要があります。


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image by: SNEHIT PHOTO / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2025年6月5日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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