どれほど景気刺激策が強力であっても、その恩恵を直接的に、かつ最短距離で受け取れるポジションに身を置いていない限り、高圧経済の恩恵は「蜃気楼」のようなものに終わってしまう。
経済が過熱し、物価が上昇する中で、「労働所得のみに依存している人」は、むしろインフレという見えない税金によって生活を圧迫され、追いつめられていくリスクさえもあるのだ。
得をするのは誰か、最初から決まっている
減税や積極的な財政出動がおこなわれた際、その政策効果がもっとも早く、そしてダイレクトに反映されるのは、労働市場ではなく資本市場である。これは現代経済の構造的な特性で、個人の努力や企業の善意とは無関係に進行するメカニズムだ。
政府が巨額の予算を投じ、市場に流動性を供給すれば、投資家はその資金が将来の企業収益を押し上げると予測し、すぐさま株を買い進める。結果として、実体経済に変化が表れるはるか手前の段階で、株価や不動産などの資産価格が跳ね上がる。
積極財政や高圧経済を熱烈に歓迎し、高市政権を支持する層の多くは、実生活の好転を何よりも望んでいる。だが、株式などの資産を保有していないのであれば、体感できる恩恵は極めて「遅く、薄く、不確実」なものにならざるを得ない。
それならば、最初から「日本株を大量に買って状況を迎え撃つ」のが正しい姿勢であるというのは誰でもわかるはずだ。
要するに、株式を買っていないと話にならない。個別銘柄を買っておくのもいいし、日経平均連動ETFや投資信託を買っておいてもいいし、TOPIXを買っておいてもいいし、高配当ETFを買っておいてもいい。
私自身も高市政権になってから日本株には強気で賭けている。高市政権は高支持率の状態にあって、その政権が「積極財政をやる」と言っているのであれば、日本株に賭けるというのは悪い賭けではないと信じている。
日本人が日本株で儲けられるというのは、これほど幸せなことはない。
逆に言えば、株式を持たずに景気対策を応援することは、他人の勝利をスタンドから眺めているようなものなのだ。どれだけ強力な経済政策がおこなわれても「部外者」の立場にされるか、「後回し」にされるかのいずれかだ。
高市政権が目指す「強い経済」を支持し、その恩恵を享受したいと願うのであれば、私たちは感情的な「支持」だけでなく、自らの「立場」を政策の恩恵が届く場所に移動させなければならない。