中東情勢の混迷を受け東京市場は一時1,500円超下落したものの、5万8,000円台をキープする底堅さを見せました。こうしたリスクオフ局面で日本株のオーバーウェイト戦略が奏功し、初の国債オーバーウェイトも金利低下局面で的中しました。(※2026年3月2日収録のマネックスオンデマンドYouTube動画に基づく内容です)
中東情勢の混迷を受けて東京市場は一時1,500円超下落したものの、5万8,000円台をキープする底堅さを見せました。こうしたリスクオフ局面で日本株のオーバーウェイト戦略が奏功し、初の国債オーバーウェイトも金利低下局面で的中しました。(※2026年3月2日収録のマネックスオンデマンドYouTube動画に基づく内容です)
マーケットの歩き方(2026年3月版):リスクの高まりに債券で対処
広木隆氏:マネックス証券の広木隆です。2026年3月版の「マーケットの歩き方」を始めます。
本日は2026年3月2日です。先日、アメリカとイスラエルがイランを攻撃したことで、中東情勢は混迷を極めています。週明けの東京市場では株価が大幅安になるなど非常に混乱が見られましたが、そうした状況下でも日本株は底堅い強さを見せています。
日経平均株価は一時1,500円以上下げたものの、最終的には700円安程度に留まり5万8,000円台を維持するなど、非常に強さが目立ちます。さまざまな悪材料がありながらも高値更新をできている現状を見ると、日本株のパフォーマンスは非常に良いので、国内株式市場の相場をオーバーウェイトとして継続する判断は正解だったと思います。
「マーケットの歩き方」を始めて10年以上が経過します。前回の2026年2月に初めて、国内債券をオーバーウェイトと判断したところ、ほかのメディアで動画が取り上げられるなど、けっこう話題になりました。
「金利のある世界」における円の長期金利が2パーセントというのは、納得感のある金利水準だと思います。これだけ不安要素が強い状況下で、リスク回避投資として国債が買われるタイミングと一致しており、オーバーウェイトと判断したタイミングは適切であったと思います。
これだけ多くのリスクが生じると、安全資産である国債は、セオリーどおりの動きを見せることになるでしょう。
銀行株急落の真因は金利環境の変化
本日のマーケットでは、銀行株の急落について注目されました。例えばイギリスの金融会社の破綻などによる信用不安(クレジット・クライシス)から、銀行株も売られたという解説がありました。この解説について、部分的に正しいかもしれないとしつつも、イギリスの金融会社の破綻は不正が関わる話であり、日本のメガバンクの議論とは直接結びつきません。
このような状況下では、今から10年以上前のリーマンショックのようなクレジット・クライシスが連想されるのは仕方のないことです。
金利低下が銀行株売りの本質的要因
しかし、それまでの銀行株急落の解説はすべて口実であり、最もシンプルな話として、リスク要因が高まるとリスク回避投資で国債が買われ、金利が下がることが本質的な原因です。
本来、銀行株の最大の買い要因は、長短金利のスプレッド拡大です。「日銀プレイ」という「日銀が利上げをするから銀行株を買う」という考えは誤りです。銀行のビジネスモデルは短期で資金を調達し、長期で貸し出すことが基本で、日銀の利上げだけで安易に銀行株を買うべきではないと思います。
日銀の利上げによって全般的に金利が上がるのであれば良いことですが、銀行株にとって最も良いのは、イールドカーブがスティープ化(長短金利差の拡大)することです。しかし、今はこの逆の動きになっています。
日銀が本当に利上げできるのかという点で利上げ期待が後退していることに加え、これだけの不安要素が出ると、リスク回避投資によって国債の利回りが下がる傾向にあります。この単純な金利の低下こそが、銀行株が売られている本質的な原因であると考えるべきです。
国債オーバーウェイト戦略の継続妥当性
金利が2パーセントを超えた時点で国債をオーバーウェイトとした判断は大正解だったと考えています。しばらくリスクの高い状況が続くと見られ、国債のオーバーウェイト戦略は今後も継続すると見ています。参考にしてください。
