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英語とプログラミングの罠~ビジネスマンの世間知らずが日本を滅ぼす=施光恒

ビジネスマンは、確かに自分の会社や業界には詳しいでしょうが、社会全体のことをよく知っているかどうかは疑問です。

他方、小学校の教員は、子供たちのこと、教育のこと、地域社会のことに関しては間違いなくよく知っています。
(^_^)ヾ(^^ )

ですので、一概に、「ビジネスマンのほうが小学校教員より社会や世間をよく知っている」とは言いがたいはずです。

小学校の教員だけでなく、公務員にしろ、地域に根差した中小企業の経営者にしろ、農業や漁業の従事者にしろ、医療関係者にしろ、家庭をあずかる主婦にしろ、社会人であればそれぞれの領域で皆、社会を見つめて暮らしています。大企業のビジネスマンだけが社会や世間をよく知っているというわけではありません。

以前、評論家の中野剛志さんが、ビジネス偏重の現代の風潮について、私や柴山桂太さんとの対談の席で次のように言っていました。

ビジネスマンは世の中のことがたいしてわかっていなくて、「エイヤッ」と決断したら、たまたま儲かってそのまま社長になってしまったというような、そういう決断主義的な傾向がある。みんなで稟議していてもしょうがない、ビジネスマン的な決断主義でやるのだという風潮があった。

「哲学、思想、歴史といった教養なんて身に付けたってしょうがない」「会計、英語、コンピュータといった実務的な知識を身に付けろ」という風潮がセットになった
(中野、柴山、施『まともな日本再生会議――グローバリズムの虚妄を撃つ』アスペクト、2013年、64頁)。

この中野さんの言葉は約3年前のものですが、「教養なんて身に付けたってしょうがない」「会計、英語、コンピュータといった実務的な知識を身に付けろ」という風潮は、今回の学習指導要領の見直しもそうですが、近頃ますます強くなっているように感じます。

中野さんの言葉、このあとは次のように続きます。

しかし、政治のように利害関係を調整するような世界に比べると、ビジネスマンの世界って非常に単純なんですよね。自動車産業であれば、自動車のことだけを考えていればいい。しかし、本当は、世界はもっと複雑なんですよ。

でも、自分の単純な世界にいる人たちは、世の中がうまくいっていないのは自分のビジネスモデルを適用しないからだと思い込んでいる。

緊縮財政もそうですね。企業は借金経営をしない方が望ましい、政府は借金をしていいという違いがある。でも、企業と政府の違いがわからないから、政治も借金経営をしないようにさせたがる。

また、国内は需要が低下するのだから外に打って出るべきだと。企業レベルではそうかもしれないが、国全体が外に打って出るなんていうのはあり得ない。

「非効率部門を淘汰せよ」というのも同じで、企業は非効率部門を淘汰することで株価が上がったりしますが、国というのは非効率な国民を淘汰できない。

「政府の規制はけしからん」「政府に民間の知恵を入れろ」と。「民間の知恵」といってもレントシーキング(利益誘導)する知恵なんだけれども(笑)、「民間の知恵を」と称して政府のなかに入り込んだりする…。
(同書、64~65頁)。

まさにそうですね。

三橋さんも常々指摘しているとおり、日本に「失われた20年」をもたらしたのは経済政策の誤りです。そして、誤った経済政策がまかり通っているのは、視野が狭いビジネスマンの論理が過度に持ち上げられ、それが実際上、政治を牛耳ってしまっていることが一因でしょう。

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