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【今週の展望】目先は「夏枯れ」商状も、総じて明るい動きが継続か=馬渕治好

来たる花~今週(8/15~8/19)の世界経済・市場の動きについて

材料乏しく、「夏枯れ」商状か、明るさは底流で持続すると見込む

(まとめ)
今週は、内外の各市場を大きく動かしそうな材料が見当たりません。経済統計では、日本では4~6月のGDP統計や7月の外国人観光客の訪日数、米国では同月の住宅着工件数や鉱工業生産などが発表されますが、よほど想定外の数値にならない限りは、市場は動きにくいものと見込みます。

そうしたなか、世界市場は動意に乏しくとも、方向は引き続き明るいだろうと考えています。

(詳細)
今週は、内外の各市場を大きな材料が乏しいです。企業決算についても、日本企業の4~6月決算の発表は、ほとんどすべて終わってしまいました。

もちろん、何のイベントもないわけではなく、たとえば経済統計等の発表はあります。

日本では、8/15(月)に4~6月期の実質GDPが発表されます。前期比年率ベースの実質経済成長率は、1~3月期は1.9%増でしたが、4~6月期は0.7%増と、2期連続のプラス成長ながら減速すると見込まれています。

このほか、8/17(水)には7月の訪日外国人客数、8/19(金)には同月の全国百貨店売上高が公表されるなど、小売業の現況に注目が集まるでしょう。

米国では、8/16(火)発表の7月の住宅着工件数や鉱工業生産など、いくつか主要統計が発表されます。

ただ、こうした統計数値も、驚くほど想定外の結果にならなければ、内外諸市場を大きく動かすようなことになるとは考えにくいです。

このため、今週の世界市場は、動意に乏しい展開が見込まれます。ただ、先週多くの国の株価が上昇したような明るい地合いが、そのまま継続すると予想します。

外貨の対円相場も、上値が重くとも底固さもあり、大きく外貨安・円高に振れるようなことにはなりにくいでしょう。

盛りの花~世界経済・市場の注目点

金融庁から飛んできた、日銀に対するけん制

既に8/13(土)付の日本経済新聞などで報じられていますが、金融庁は、日銀のマイナス金利政策が、メガバンク3行の今年度決算に、少なくとも3000億円の減益要因として、のしかかると試算したそうです。こうした収益悪化が、銀行の貸出抑制につながりうると、金融庁が日銀に懸念を示した、とも報道されています。

当メールマガジンや筆者によるセミナーでも、日銀のマイナス金利導入は、金融機関の背中を後ろから蹴り倒すようなもので、銀行の収益悪化につながっても、実体経済の浮揚にはつながりにくい、と批判してきました。そうした批判は、既に銀行からも挙がっています。

ただ、今回のように、金融監督を担当する省庁からも懸念が示されたとなれば、日銀が9月の金融政策決定会合で、これまでの政策の総括とともに、諸資産の買い入れを少しずつ増額する、という追加緩和策は打ち出すことになっても、マイナス金利の拡大を行なうことは、極めて難しくなった(もともと難しいですが)と考えられるでしょう。

Next: よく聞く「夏枯れ」相場って?~世界経済・市場の用語などの解説

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