風呂なし物件でもなぜか満室。聞き込み調査で見えてきた住人像
まずは現地の商店街の花屋さんに聞いてみました。
花屋さんが言うには、かつて1Fは歯医者さんだったらしく、2Fには歯医者さんの夫婦が住まわれていたとのこと。その後、歯医者さんをやめたあとはアパートとして改装し貸し出しているとのことでした。また、現在2Fは、おそらく自営業者さんが自宅兼事務所として使用しているような気配でした。
そして特徴的なのがこの物件のレントロール。管理業者が3社も入っています。入居者を斡旋した業者がそのまま管理業者になっているのでしょう。風呂なしの部屋に、3社の管理業者が競い合いながら、入居者を入れていく。
これだけの情報で、この物件の1Fと3Fにどんな人が住んでいるかピンときた人は素晴らしいです。そう、この物件は生活保護の方大歓迎の満室物件なのです。
生活保護受給者が求める物件とは
東京都の場合、生活保護は区によって支給方法が異なります。
ある区では家賃の上限が決まっており、区が直接大家さんに振り込みます。また別の区では、生活保護のお金を受給者が全て受け取り、その中から大家さんに支払うというものもあります。
区から大家に直接家賃が振り込まれるエリアでは、生活保護を受ける入居者にとって家賃の安さは魅力になりません。どうせ区が支払うのだから、上限ギリギリの良い物件に住みたいと思うからです。そういう区の場合、家賃の安い風呂なし物件だと、少し競争力が落ちることもあります。
しかし、今回の物件がある区は生活保護の総額を一旦、入居者に渡し、その中から家賃を支払う仕組みです。つまり、家賃を節約すればするほど、生活保護の残額が増えるわけです。
こういうエリアでは、たとえ風呂なしでも、価格が安いことで競争力が高まります。また今回の物件の場合、近くに商店街があり銭湯もあるので、さらに競争力があります。駅から15分と遠いのですが、生活保護者であれば通勤電車に乗るわけでもないので、大丈夫です。
生活保護の方が気にするのは、社会保険事務所へのアクセスの良さと、住環境です。社会保険事務所は1月か2月に一度、生活保護の振込み手続きのために行かなくてはなりませんし、住環境は長い時間家にいるのでとても重要になるのです。そして、住環境というのはお風呂の有無や設備の良さではなく、広さです。
ということで、風呂なしでも、少々広めの間取りで格安なら好まれるわけです。
不動産投資の醍醐味と注意点
最後にとても重要なポイントがあります。それは、総額支払い方式の場合、家賃を振り込んでもらえない可能性があるということです。
今回の物件に関しては、3つの管理業者がしっかりと家賃の回収をしてくれているらしいので滞納は発生していませんが、自主管理をするとしたらご注意下さい。
都内高積算高利回りで好立地ということで、一見して良さそうでも、ヒトクセもフタクセもあるのが不動産の醍醐味。この醍醐味を楽しめる気骨をもって経営できる人は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
『1億円大家さん姫ちゃん☆不動産ノウハウ』(2016年11月3日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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