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トランプが「暗殺」されかねない2つの理由。究極のテールリスク=斎藤満

「第2のプラザ合意」リスク

次のリスクは「第2のプラザ合意」がなされる可能性です。

レーガン大統領以来の大幅な財政拡張策が、しかも「完全雇用」に近い経済情勢の下でなされます。これが実施されると、賃金、インフレがFRBの想定以上に高まり、想定以上に大幅な利上げを余儀なくされる可能性があるためです。

当然、その過程でドル高が進み、米国の負担となります。

レーガン政権下でもボルカーFRB議長が高金利政策を余儀なくされ、80年から82年には世界経済を不況に陥れ、さらに85年には「G5」でドルの引き下げを図りました。

当時はプラザ・ホテルが利用されましたが、今回はトランプ・タワー合意になるかもしれません。その際、当時よりも為替市場が大きくなり、「G7合意」で修正できるかどうか、難しい面もあります。

為替が人為的にドル安に動かされると、結果としてまた金融政策も極端に動かねばならない可能性が出てきます。前回はそのために日本では激しい「バブル」が生じました。

また前回は80年から世界不況となりましたが、今回は特に新興国での債務危機、金融危機が誘発される懸念が強く、ベネズエラ、ブラジルなど中南米や、そこに金を出している中国も打撃を受けます。

その際、トランプ氏が「アメリカ第一」を唱え、周辺国への影響を無視する可能性があり、新興国危機や世界経済悪化の兆候が出ても、米国がそれを見て早めに修正する可能性は高くありません。これも懸念材料です。

Next: 発生確率は低くても実現すれば甚大な影響、3つ目の究極リスク

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