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「TPPは中国包囲網」というまやかし。亡国の全農解体を阻止せよ!=三橋貴明

全農を「経営破綻」に追い込みたい理由

とはいえ、理由は分かっています。全農を経営破綻に追い込むことで、日本の食糧安全保障の「盾」である全農グレインを売却に追い込みたいのです。

全農グレインが売りに出されれば、その日のうちに世界最大の穀物メジャーであるカーギルが買うことになります。全農グレインさえ消えれば、カーギルはIPハンドリングに余計なコストを費やす必要がなくなり、さらに利益を厚くすることで、「自己利益最大化」を達成できます。

我が国は、もはや遺伝子組み換え作物の流入を食い止める術を失い、国民は、「遺伝子組み換え作物を食する多数派の国民」と、「自分と家族のために安全な食物を入手売るルートを確立する少数派のお金持ち」に二分化されていくことになります。

中国では、共産党官僚が「中国共産党ご用達の農場」から安全な農産物を手に入れていますが、同じ構造になるわけですね。

ちなみに、カーギルは別に「日本の食糧安全保障を崩壊させてやる!」などと、厨二病的な発想で全農グレインを欲しているわけではありません。単に、自分たちの利益を最大化したいに過ぎないのです。全ては、利益のため。

現在の世界は、「自己利益最大化を求めるグローバル投資家 対 各国の一般国民」の対立構造で動いているのです。国民の多くがこの本質を理解しない限り、我が国の安全保障は弱体化し、各種の構造改革も止められず、最終的には亡国に至ることになるでしょう。

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