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資産運用のプロである私が考えた「2017年型ポートフォリオ」のすべて=田中徹郎

地域別経済の予測:(3)中国

経済の実態だけをみると、今年の中国は決して悪くはないと思います。昨年に続き(公称)6.5~6.7%程度の成長を維持できるのではないでしょうか。特に製造業が昨年後半から好循環モードに入ってきたと思いますし、政府はインフラ投資減税を使いながら、今年も一定の成長性は維持できると思います。

一方で、冒頭に申し上げたようにマネーの流出には注意が必要です。断続的に行ってきた人民元買いの結果、一時は4兆ドルもあった外貨の準備はすでに3兆ドルまで減りました。このままのペースで元を買い支え続ければ、年内のどこかで(2015年夏のような)人民元の切り下げや、極端な場合変動相場制への移行といったビッグニュースが飛び込んでくるかもしれません。

その場合、一昨年のような世界的な株安と円高を覚悟しておかなければなりません。

地域別経済の予測:(4)ヨーロッパ

冒頭に申し上げたように、ヨーロッパは今年政治の季節を迎えます。イタリア、フランス、オランダ、ドイツなどで昨年の英米同様、一国孤立主義の機運が高まるのではないでしょうか。場合によってはEU崩壊の連想から、世界の株、債券、為替は一時的に大きく上下動するかもしれません。そのリスクは頭に入れておきたいと思います。

ただし、経済に注目すればどうでしょう。昨年のBrexitや2012年以降断続的に起きた欧州債務危機などを経験し、すでに欧州は慢性的な低成長地帯に落ち着いてしまった観があります。つまり、世界経済は欧州の低成長や混乱を前提にして成り立ってしまっているわけで、よほど大きなマイナス成長に陥らない限り、欧州発の経済危機はないと思います。

Next: 各種相場の流れと投資スタンス~株式と為替はこう動く

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