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資産運用のプロである私が考えた「2017年型ポートフォリオ」のすべて=田中徹郎

各種相場の流れと投資スタンス:(4)実物資産

FRBは量的緩和を停止して久しいですが、依然としてFRBがかつて市場に供給したマネーは、高水準で滞留したままです。日本や欧州に至ってはQE自体をまだ続けており、今年も市場に供給されるマネーは増え続けることになります。

したがって、少なくとも今年いっぱいという時間軸でみれば、マネーの量>実物資産 という構図は続き、実物資産の相対的な価値は上がり続けると見ていいでしょう。

では、不動産はどうでしょう。冒頭のようにすでに米国の長期金利は上昇しはじめ、日欧も同様の傾向にあります。不動産価格はある面で国債の金利との比較で値が決まりますので、金利が上がると不動産価格は下がる傾向にあります。

例えば、昨年の都内ワンルームマンションの価格はゆるやかに上昇しましたが、日本の長期金利が今後上がるなら、不動産相場にとってはマイナスです。ただし、金利の上昇は不動産にとって悪い話ばかりではありません。不動産の需要は好況時に高まり、賃貸収入が上がります。一般に金利は景気との連動性が高く、金利が上がるときは家賃も上がる傾向にあると言えるでしょう。これらを総合して考えるなら、今年一年の都内不動産相場は、現状程度を維持する可能性が高いのではないでしょうか。

続いて僕の好きな「コイン」のお話です。昨年日本のコイン市場では、異様な動きがありました。現代コイン相場の急騰です。どうやら一握りの“あおり系コイン商”が相場をあおり、ひと儲けしたようです。

コイン好きな僕としては悲しい限りですが、コインの市場は小さく、実際にこのようなことができてしまいます。市場が大きな海外マーケットではこのようなことは起きず、ときどき海外のコレクターやコイン商からひんしゅくの声が聞こえてきます。ただし、このような相場が長く続くわけはなく、すでに現代コイン相場は急速に正常化しつつあります。

このような異常な相場で高値掴みをしないためにも、例えば、

  • コインのカタログの購入
  • 複数のコイン商で話を聞く
  • オークションの落札相場には目を通ししておく

できればこのような準備をしたうえで、適正価格で投資するようにお願いいたします。

さて、今年のコイン相場はどうでしょう。以下は僕が有望と考えるエリアですので参考にしてみてください。

  • 17世紀から19世紀までのヨーロッパの金貨銀貨
  • 古代ギリシャ・ローマ
  • 19世紀から20世紀初頭のアジア
  • 18世紀末以降の初期アメリカコイン

カラーストーンも引き続き上昇が期待できます。ただし、カラーストーンなら何でもいいというわけではありません。ここ数年徐々に水準をあげてきたミャンマー産の非加熱ルビー、同サファイア、同スピネル…このあたりは年々産出量が減っておりますし、昨年はアメリカによる経済制裁も解除されました。今年あたりから現地ミャンマーにアメリカ人バイヤーの参入も予想され、ますます入手は困難になるでしょう。ルビーなら例え1カラット程度の比較的小粒の石でも、投資対象になるでしょう。スピネルとサファイアは2カラット以上が投資対象です。ただし産地証明、非加熱証明アリのものだけです。ボッタクリも多いのでご注意ください。

各種相場の流れと投資スタンス:(5)ヘッジファンド

昨年は年央にBrexit、年末にはトランプ・ショックと、何かと変動の激しい一年でしたね。ヘッジファンドの成績をみても、WintonやMan、BlueTrendのように、中期のトレンドから収益をあげるタイプのファンドの苦戦が目立ちました。一方で、ボラティリティから収益をあげるタイプのファンドや、複数のヘッジファンドを束ねて運用するファンド・オブ・ヘッジファンドまずまずでした。

では、今年はどうなのでしょう。ヨーロッパの政治、トランプ次期大統領の政策、中国の為替政策、日本金利上昇など市場は混乱要因に事欠かず、今年は昨年以上に変動が激しい一年になるのではないでしょうか。であれば、昨年に続き中期のトレンドフォロワーは苦戦が続くのではないでしょうか。イメージとしてはよくて+5~7%程度にとどまると見ております。これに対して、ボラティリティから収益をあげるタイプのファンド、あと裁定取引型のヘッジファンドは、安定した成果を上げると思います。今年に関してはそのような観点で、銘柄の組み換えが選択肢になるでしょう。

Next: 2017年型ポートフォリオのまとめ

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