2017年型ポートフォリオのまとめ
以上を踏まえ、最後に今年の推奨ポートフォリオについてまとめさせて頂きます。毎年申し上げていますように、これは一つのサンプルで、実際にはお一人お一人の経済状況やライフプランによって異なります。あくまで一つの投資のヒントとしてご活用ください。
2017年型ポートフォリオ
■先進国株(20%)
1. 日本株ETF
2. 米国株ETF
3. MLP
■新興国株(10%)
1. 新興国分散型ETF
2. ASEAN株ファンド
■コモディティ関連資産(10%)
1. 原油ETF
2. 穀物ETF
3. 非鉄金属ETF
■債券(10%)
1. 米国既発債
2. 米国超長期債ETF
■不動産系資産(30%)
1. 日本不動産現物
2. 米国不動産現物
■オルタナティブ(20%)
1. クラシック・コイン(ヨーロッパ各国、アジア、古代ギリシャ・ローマ)
2. カラーストーン(非加熱ルビー、非加熱サファイア、スピネル)
3. ヘッジファンド(トレンド・フォロー型、ボラティリティ運用型)
昨年まで組み入れなかった債券を今年は10%組み入れました。株は昨年の20%から30%に上げました。その結果、株、債券、コモディティからなる「サイクル性資産」は全体の50%となりました。内訳は、株式30%、債券10%、コモディティ10%です。これに対して非サイクル資産(現物系資産およびオルタナティブ)を20%引き下げ50%といたしました。先進国の経済成長の加速を想定し、「やや積極的なポートフォリオ」です。
先進国株では、日本株を筆頭に、次点を米国株ETFとさせていただきました。日本株は年初から粛々と組み入れてください。アメリカ株は少なくとも年の前半はボックス圏を想定しております。したがって年の前半に下げたところを徐々に買い増しでいいのではないかと思います。また、今年はMLPを組み入れました。MLPは主にアメリカの原油を送るパイプラインへの投資です。原油に対する強めの見通しから、配当狙い、キャピタルゲイン狙いで購入です。
新興国株は特に年の前半は忍耐の時が続くと思いますが、投資は常に長期。一時的に下げたとしてもそこは我慢でいいのではないでしょうか。ただし個別の国はリスクが高く、今回は外しました。新興国分散型なら、コスト優位でVWOでいいでしょう。ASEANはETFの良い銘柄はなく、市販の投信が選択肢です。
コモディティは、原油を筆頭に、穀物を次点にいたしました。穀物ならトウモロコシか大豆がいいでしょう。ETF経由を想定しております。夏場に乾燥すれば暴騰ですが、仕込むなら早い方がいいでしょう。あとは本文で触れませんでしたが、銅やアルミなどからなる非鉄金属ETFです。アメリカと中国でインフラ投資が拡大しますと、非鉄金属は多く使われます。
今年久々に組み込んだ債券は、アメリカ国債です。個別の既発債銘柄でも結構ですし、長期債や超長期債を束ねたETFでも結構です。ただし10年債利回り2.3%の今ではやや物足りず、理想的には年後半2.8%到達時点からの仕込みが有効でしょう。
今年は不動産からREITを外しました。長期金利の上昇は特にREIT相場に悪影響を与えるでしょう。長期で持ち続ける覚悟があれば問題ありませんが、それでも値動きが日々目に入ってしまうREITは精神衛生上よくありません。不動産なら値動きが見えない現物がいいでしょう。不動産をポートフォリオから外すことはできませんので…。
オルタナティブは、筆頭にコイン、次点にカラーストーンです。この順番は人によって好き好きで、反対になっても構いません。時間をかけてひとつずつ加えていく楽しみは、他の金融資産にはない特徴です。勉強を怠りなく!
これでお終いです。なお、昨年の「2016年型ポートフォリオを考える」をサイトにアップしております。長さが苦にならない方はご一読ください。最後になりましたが、今年一年の皆様の投資の成功を心よりお祈りしております。
『一緒に歩もう!小富豪への道』(2017年1月12日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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