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【展望】トランプリスクと国内好決算の綱引き。日本市場は底固めの展開に=馬渕治好

来たる花~今週(2/6~2/10)の世界経済・市場の動きについて

<不安心理は為替市場中心に残ろうが、実態の良さが支え役となり、底固めの展開か>

(まとめ)
今週は、引き続き為替市場では、米国の為替に対する姿勢を巡って、不安心理が残りそうです。特に2/10(金)から日米首脳会談が行なわれる予定ですので、そこで円相場や日米間の貿易収支について、何らかのやり取りがあるのかどうか、市場が神経質になることはありえます。

一方で、今週も盛んに行なわれる日本企業の10~12月期の決算発表は、引き続き国内株価を支える材料となりそうです。短期的に市場の波乱が残っても、中長期的な好転へ向けた、底固めの展開だと見なすべきでしょう。

(詳細)
先週のトランプ大統領の発言などが材料となった、為替市場、特に米ドル円相場の波乱については、まだすぐに落ち着くかどうか、わかりません。2/10(金)から、安倍首相とトランプ大統領の日米首脳会談が行なわれる予定で、そこで円相場、あるいは日米間の貿易収支について、何らかのやり取りがなされ、それが報じられる可能性があります。そのため、首脳会談前の市場は、神経質に市況が上下に振れる恐れが残ります。

やっかいなのは、トランプ大統領が、正しい経済理論などを、全く理解していないと推察されることです。そのため、「結果を出せ」の一点張りになる恐れが強いです。

2/3(金)に、安倍首相は菅官房長官とともに、トヨタの豊田社長と会食し、おそらく日本の自動車企業に対する強い風当たりについて、どういう策を打ち出すかを話し合ったと思われますが、残念ながらどんな対策を練っても無駄でしょう。

トランプ大統領は、「円が安すぎる」「日本が対米で貿易黒字となっているのは問題だ」という主張だけですから、日本がいかに円安誘導をしていないか、貿易収支の日本側の黒字縮小に努力するか、トヨタがいかに米国の経済や雇用に貢献するか、といった点を、誠意を持って正しい理論で説明しても、「早く結果を出せ」「何でもいいから米ドル円相場を100円にしろ」「何でもいいから日米の貿易収支をトントンにせよ」と言いかねないと懸念されます(まるでどこかのブラック企業の経営者のようです)。

こうしたトランプ大統領の主張に対しては、何を言っても無駄なので何もしないか(その場合、日本からの輸入に対して関税を引き上げる、などを言いかねないので、そうした「報復」は覚悟する必要があります)、あるいは「お土産」を渡すか、しかないと考えます。

そのお土産は、実際に米国経済に貢献するものより、トランプ大統領と同レベルに経済に理解がない支持者たちが、「おぉ~、我々の大統領は、あの日本からこんなスゴイ譲歩を勝ち取った!」「俺たちの大統領はヤベエ! なんだかよくわからないが、とにかくグレートだ!」と拍手喝采するような、派手なものを提供するしかないでしょう(それで実際には、米国の経済も雇用も少しも良くならないとしても)。

それはさておき、為替市場にパイプ椅子やビール瓶が飛び込んで来続ける恐れがあるため、米ドル円相場は不安定な推移を続ける恐れがあるわけですが、一方では、日本株については、10~12月期の企業収益の発表が続き、前週までと同様、内容は好調だと期待されます。そうした収益実態が株価を支えると期待されるため、円相場の波乱につれて国内株価が下振れしても、その度合いは限定的にとどまると見込まれます。

このほかの材料としては、いろいろな国で金融政策を決定する会合が多い週です(2/7(火)豪州、2/8(水)インド、タイ、2/9(木)ニュージーランド、メキシコ)。

このうち豪州については、専門家の間ではいまだに利下げを見込む向きがいます。ただ、10年国債利回りをみると、先週末(2/3、金)は2.79%で、これは2015年後半から2016年前半頃の水準とほぼ同じです。

当時は短期政策金利が2.0%(現在は1.5%)でしたので、長期債市場は、長い目で見ると、むしろ短期金利がこれから上がってくる、と予想していることになります。今週の豪州準備銀行理事会では、利下げはなく、政策金利の据え置きが決定されると見込みます。

世界的な景気の緩やかな回復に伴う、銅などの価格の堅調さや、豪州から中国向けの輸出額の持ち直しなどを踏まえると、豪州長期債券市場の利上げ期待が正しく、今後の豪ドルは基調として上値をうかがっていく、と予想しています。

Next: 世界経済・市場の注目点「現時点で、国内企業の決算内容は良好」

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