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バックは中国共産党。世界最大ゲーム会社「テンセント」の強みと弱みとは=栫井駿介

規制は最大の堀であると同時に最大のリスク

中国企業の最大の強みは、規制によって守られていることです。中国共産党の意図に沿わない外国企業は簡単に締め出されてしまいます。GoogleやFacebookも中国では撤退を余儀なくされています。その空いた穴を埋めることで、自国企業は人口13億人の巨大な市場を獲得することができるのです。

もっとも、規制は最大のリスクでもあります。国内企業であっても政府の気に入らないことがあれば簡単に潰されてしまいます。こればかりは国外からのリスク管理は難しく、中国株への投資を躊躇させる障壁です。

目下開催中の中国共産党大会では、習近平国家主席の権力集中があらわになっています。習近平の逆鱗に触れるようなことがあれば、ある日突然事業を停止しなければならないということも起こりうるのです。

また、中国企業は自国で巨大な市場を抱えるが故に、海外進出はあまり得意ではありません。テンセントのオンラインゲームやWeChatも世界標準とは到底言い難く、良くも悪くも中国の経済成長に左右される部分があります。

もっとも、中国経済はなお6.5%の高成長が見込まれ、輸出主導から内需主導へと経済構成が転換する中で、国内消費を対象としたサービスはこれからますます伸びていくと考えられます。仮に世界進出がままならなかったとしても、テンセントの今後の成長性をかげらせるようなものではありません。

現時点でのテンセントへの投資判断

PERは40倍にのぼり、バリュー株投資としては簡単に買える水準ではありません。それでも、昨年の売上高成長率がほぼ50%あったことや、相変わらずのオンラインゲームでの強さを考えるとつい手を出したくなってしまいます。

目下株価は大きく上昇し、この1年の上昇率は6割、5年で7倍となっています。無謀な水準とは言えず、まだ伸びてもおかしくありません。

出典:Bloomberg

出典:Bloomberg

しかし、短期的なリスクは否定できません。市場は「世界同時株高」の様相を呈していて、テンセントもその例外ではありません。今後何らかのリスクの顕在化により、市場全体が大きく下がる可能性があります。

(以下、テンセントへの投資判断は有料会員限定コンテンツです。)

これから世界経済の成長を牽引するのは間違いなく中国であり、無視することはできません。当社では、今後ますます中国経済および中国株の調査を進めていきます。

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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2017年11月1日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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