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契約よりも家賃が少ない?「かぼちゃの馬車」被害者を襲うさらなる落とし穴=姫野秀喜

「かぼちゃの馬車」に今も住んでいる方に話を聞いて、さらなる落とし穴があることがわかりました。自主管理に切り替えようとしている家主にとっては追い打ちです。(『1億円大家さん姫ちゃん☆不動産ノウハウ』姫野秀喜)

プロフィール:姫野秀喜(ひめの ひでき)
姫屋不動産コンサルティング(株)代表。1978年生まれ、福岡市出身。九州大学経済学部卒。アクセンチュア(株)で売上3,000億円超え企業の会計・経営計画策定などコンサルティングに従事。合間の不動産投資で資産1億円を達成し独立。年間100件以上行う現地調査の情報と高い問題解決力で、顧客ごとに戦略策定から実行までを一貫してサポートしている。

なぜ額面上の家賃を高くしている?自主管理への切り替えも茨の道

「かぼちゃの馬車」は快適?

何度か「かぼちゃの馬車」の住人にインタビューをする機会がありました。

その方は地方から東京に来られて、最初は会社の寮にいたのですが、そこを出ることになり、家具・家電付きをウリにしていたシェアハウスに入居を決めたそうです。

スマートデイズの「賃料不払い事件」が起きてからは、周りの人たちがどんどん退去していき、現在では稼働率が25%程度に落ち込んでいるとのことです。

1階8人、2階8人の合計16人の定員に対して、風呂・トイレが4個ずつ。つまり4人に1つの割合ということで、満室になれば風呂やトイレで待ち時間が発生する可能性があります。

しかし現状は各階2人しか入居していないため、風呂もトイレも1人1個ずつあって快適だそうです。

本人いわく、「満室に近くなったら退去するが、空室が多かったらそのまま住んでもよい」とのことです。

契約書の額面よりも「かなり少ない」家賃

そんな入居者の率直な意見を聞きつつ、家賃についても尋ねてみました。すると、興味深い答えが返ってきました。

それは、賃貸契約書では6万8,000円の家賃ですが、実際には3万円しか支払っていないということです。

スマートデイズと入居者との間で交わされている賃貸契約書の額面は6万8,000円+共益費2万円、つまり合計8万8,000円という契約になっています。

ところが、それ以外に覚書があり、それには「賃貸借契約にかかわらず、家賃は3万円」と明記されていたのです。

本人は結局、賃料3万円+共益費2万円の合計5万円を支払っているとのことでした。

新築とはいえ7平米の部屋に5万円は、なかなか東京といえども割高です。

ましてや、もともとの8万8000円という賃料は7平米ではありえないですね。

Next: なぜ額面上の家賃を高くしている? 家主を襲うさらなる落とし穴

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